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アメリカで働くレズの徒然

イケメン好きは必見!映画『パーフェクト・ルーム(原題:The LOFT)』感想!

LOFT

かなりB級っぽい映画なのだが劇場で観てしまった!

あらすじ

一見成功し、よい夫である五人の男たち。彼らは、妻に内緒で情事のための場所「ロフト」を共同所有していた。初めは気乗りしなかった者も、言い出しっぺでカリスマ性のある建築士ヴィンセントの言うがままに、鍵を手にすることとなった。鍵を持っているのは彼ら五人だけ。しかし、ある朝そこで女が惨殺されていた。犯人は誰だ?五人は、急いで「ロフト」に集合し、何があったのかを探ろうとする。女は誰だ?誰が殺したのか?何があったのか?錯綜する場面と時間軸。

なんと、このハリウッド版は、三度目のリメイクである。それだけよく出来た脚本ということだろう。しかし、出来上がったものはイマイチ深みに欠けるというか、「よく出来たB級セクシーホラー」という印象。キャストは豪華なのに、残念。

豪華なイケメンキャストは必見

キャストの一人は、ゲイであることをカムアウトしている『プリズン・ブレイク』のスター、ウェントワース・ミラー!『プリズン・ブレイク』の時の男くさいイケメンキャラとは一転して、うじうじしたキモキャラを上手に演じている。

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鋭い眼光がセクシーなカール・アーバンに、良い奴オーラ漂うジェームズ・マースデンなど、タイプの違うイケメンを取り揃えてるので、そういう意味で楽しむのもいいかも。

男の夢見る世界

この映画の欠点は、とにかく「男にとって都合のいいファンタジー」っていうところだと思う。これに関して興味深かいことは二つある。

一つは、当然のように描かれている「浮気」願望。(※浮気の定義は「配偶者に秘密で、婚外の性交渉を行う」ということにする)どんなによい夫に見えても、どんなに幸せそうなカップルでも、男に「隠れ家」を与え、そして魅力的な女性を与えれば、簡単に落ちてしまうんだなーと。

別にこれが「男」という性別の持つ特性だと言いたいわけではない。これは、私が常日頃疑問に思っている「一人の人をずっと愛し続けることは可能か」という疑問に対する一つの答えでもある。

以前も書いたけど、わたしのこれに対する答えは、「『神は存在するか』という質問に対する答えと似ている」というもの。つまり、その答えは自分のなかにあり、その自分の信じる答えに従って、自分の欲望なり、行動を抑制しなければいけないのだ。それを「不自由」だと感じる人もいるだろうし、それを「神聖だ」と感じる人もいるだろう。

ま、どっちでもいいんだけど、人って、このどっちかの解釈に収まっていられずに、その時その時の行動を正当化したがるのよね。完全に割り切りで「浮気」を楽しんでるっていう人もいるだろうけど、浮気が浮気として楽しいためには、そこに存在する求め合う気持自体はリアルであるがあるわけで。その時は、浮気相手のことを「君こそが運命の人だ!」と言ってみたり。「これはどうせ一時的な退屈しのぎのもの」って理解しきってると、いまいち盛り上がらなかったりもするから、そこをあえて「擬似純愛」を楽しむみたいな「スイッチ」を入れてやってるわけでしょ。浮気じゃなくて、キャバ通いでもそうだと思うけど。「僕は彼女の金づる」とわかっていながらも、それを超えた「疑似恋愛」のときめきがあるから、ハマるわけで。そういう都合のよさというか、バカさというのがよく現れていた。

もう一つは、モテない人が築きあげる、自分だけの「もうひとつの世界」について。これは、「勘違い」だとか、「妄想」だとか言われるものだが、人は、誰しもが自分の知覚する宇宙を生きているわけで、その描き方に個人差があることはある意味当然だ。わたしの周りにも、モテない人は結構いるが、その人と深く話してみると、その人はその人自身の世界のなかでは、いろいろな美少女から片思いされていたり、言い寄られていたりで、なかなか華やかな女性関係を持っている設定になっているのだ。びっくりするけど、ま、わたしも恋愛においては、自分に都合がよい思い込みの力を借りたりして口説いたりするので、人のことは言えない。

そんな訳で、さんざんな評価ではあるが、いろいろ深読みして楽しめる映画ではある。テレビの洋画劇場かなにかで流れていたらぜひチェックしてみて。

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