#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

フードスタンプで買えない10のもの / 貧困とLGBT

しばらく前に書いたこの記事。

yuichikawa.hatenablog.com

これに、こんなブコメいただきまして、調べてみました。

なぜ彼女は、タンポンをせずに出血しながらフルマラソンを走ったのか? - #あたシモ

「生理ナプキンやタンポンの値段は平均70ドル/フードスタンプでは買うことができない」生活必需品だと思うんだけどトイレットペーパーとかもどうなってるの。

2015/10/17 12:24

結論から言うと、生理用品だけでなくトイレットペーパーもフードスタンプでは買えません。そして、生理用品だけでなく、他にも、これらのものがフードスタンプでは買えないことがわかりました。

フードスタンプで買えない10のものリスト

  1. トイレットペーパー
  2. 洗濯用洗剤
  3. 歯ブラシ・歯磨き粉・糸ようじ
  4. 石けん
  5. おむつ
  6. 生理用品(ナプキン・タンポン)
  7. デオドラント
  8. ヘアケア用品(シャンプー・リンスなど)
  9. 掃除用品
  10. ローション・リップクリーム・粉など

ま、そもそもフードスタンプという制度自体に「フード」がついていて、正式名称「補助的栄養支援プログラム」であることからもわかるように、栄養素を補給するのを助ける制度なため、これらのアイテムは「食べ物(フード)ではないから!」と言われてみればその通りなのですが。それにしても、低所得者の生活必需品への助成という趣旨からすれば、日用品が買えてもいいんじゃないの!という気もしてきますね……。アメリカでのフードスタンプは、おそらく日本での「生活保護」とちょっと似ていて「フードスタンプを貰ってるのに、こんなものを買ってる」だとかいちゃもんをつける人がいたりするのです。この記事の参考にした元記事を書かれたSue Kerrさんは「フードスタンプでソーダやステーキを買ってる人がいる!」と騒ぐより、フードスタンプで「買えない」ものに注目することで、その穴をどう埋められるか考えた方がよいと書かれています。

貧困とLGBT

低所得者についての話ってセクシャリティと無関係ではありません。アメリカの話ですが、同性カップルは貧困に陥りやすいというデータがあります。

  • 女性カップルの14.17%、男性カップルの7.7 %がフードスタンプを受給している。(既婚異性カップルは6.5%)

  • 同性カップルのうち、2.2%の女性が現金の助成を受け取っている。(異性カップルの女性のうち現金の助成を受け取っているのは0.8%)

  • 同性カップルのうち、1.2%の男性が現金の助成を受け取っている。(異性カップルの男性のうち現金の助成を受け取っているのは0.6%)

  • ゲイカップルと暮らす子どものうち25%、レズビアンカップルと暮らす子どものうちの19.2% が貧困に陥っている。(既婚異性カップルの子どものうち貧困率は12.1%)

というわけで、非ヘテロとして女性同士でカップリングしたり、子どもを育てたり……ということを考える女性にとって、貧困の問題はものすごく身近なもので、他人事ではないのです。LGBTの「T」であるトランス・コミュニティは平均のほぼ2倍という高い失業率に苦しんでいます。「LGBTは裕福で購買力が高い」というストーリーを用いた啓蒙記事はよく目にしますが、それは本当に限られた一部の話であり「LGBT」と全体を見ると、また異なる現実があるわけです。

というわけで、フードスタンプでは日用品は買えませんが、人々のニーズを踏まえ、食料だけではなく、生活必需品を提供している民間団体やプログラムもあります。住んでいる街の名前で検索すると出てきます。