#あたシモ

虹の向こう側

「世界エイズデー」だったので、エイズの35年間を振り返ってみた

photo by tedeytan

今日は「世界エイズデー

本日(12/1)は、「世界エイズデー」でした。そして、サンクス・ギビングの翌週の火曜日は「ギビング・チューズデー」といって、寄付をする日でもあります。今年は、世界エイズデーと、ギビング・チューズデーが重なる初めての日だそうです。わたしも去年に引き続き、エイズ関係の基金に寄付をしました。

というわけで、今日はエイズについて書きます。丁度チャーリー・シーンの告白もあり、今結構注目を浴びていますね。

ちなみに、アメリカでエイズの診断が出てから、今年は34年目です。そろそろ「アラフォー」にさしかかろうとしているエイズの歴史をここでおさらいしましょう*1

エイズの歴史

  • 1981年6月CDCが、ロサンゼルスで謎の病気をレポートする。……これが後に、始めて公にされた「エイズ」の診断だった。

  • 1982年、雑誌『アドボケイト』誌がエイズについての記事を掲載。タイトルは「都会的なゲイ男性のライフスタイルは、あなたの健康にとって危険なのか?」

  • 1983年、ヒト免疫不全ウイルス (HIV) がエイズの原因として特定される。

  • 1984年、HIV感染の原因とされたゲイのハッテン場が次々と閉鎖されはじめる。

  • 1985年、日本にて「エイズ1号患者」を厚生省が発表。WHOが加盟各国に対し血友病患者の治療に加熱製剤を使用するよう勧告。インディアナ州の10代の少年ライアン・ホワイトが、輸血により、HIV感染した後、学校に来ることを禁じられる。また同年、ハリウッドスターのロック・ハドソンがゲイであることをカムアウト、そして、AIDSにより他界。

  • 1986年、米国公衆衛生局が、AIDS予防についての初の公式声明を発表。日本にて加熱血液製剤の発売開始。

  • 1987年、AZTがFDAに認可される。100mgを4時間おきに飲むというものであった。

  • 1988年、WHOが、始めて「世界エイズの日」を認定する。

  • 1989年、日本薬害エイズ裁判提訴。NIAIDが「パラレルトラック」を認可する。これにより、治験に参加できない患者も、実験的な医薬品を使えるようになった。

  • 1990年、ライアン・ホワイトが18歳で他界する。アーティストのキース・ヘリングが31歳で他界する。ロナルド・レーガンが、任期中AIDS危機について、迅速に動かなかったことについて謝罪する。国会が低所得者HIV感染者をサポートするための法案を可決する。

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  • 1993年、トム・ハンクスが映画『フィラデルフィア』でHIV感染を理由に解雇され、裁判を起こした弁護士役を演じ、アカデミー賞を受賞。

  • 1994年、MTVのリアリティー番組『リアル・ワールド:サンフランシスコ』でオープンリー害であり、HIVポジティブでもあるペドロ・ザモラが取り上げられる。大手POPカルチャーで取り上げられた初めてのHIVポジティブなゲイ男性であり、大きな影響を与えた。ザモラは同年他界。クイーンのフレディ・マーキュリー他界。

グレイテスト・ヒッツ

  • 1995年、オリンピックダイビング選手のグレッグ・ルガニスがHIV感染を告白。90年代半ば中国で売血によるHIVが広がる。

  • 1996年、HIVが大きな要素を占めるミュージカル『レント』がオフ・ブロードウェイにて初演。雑誌『タイム』誌が、HIV研究者であるデイビッド・ホーを「今年の人」に選出する。

  • 1997年、FDAが初の複合タブレット薬「Combivir」を認可。

  • 1998年、雑誌『OUT』のなかにあったHIV関連のコンテンツをまとめた雑誌『HIV plus』が創刊。ミュージカル『レント』、ブロードウェイへ。

  • 1999年、フィル・フィルソンが、アフリカ・アメリカン・エイズ・ポリシー・アンド・トレーニング・インスティテュートを設立(その後、同団体は『ブラック・エイズ・インスティテュート』へ)。

  • 2000年、ナショナル・ブラックHIV/AIDSアウェアネスデーがはじまる。

  • 2001年、20年間の間に、HIVは6000万人に感染し、2200万人の命を奪い、人類におけるもっとも深刻な感染症となった。

  • 2002年、FDAが素早くHIV検査ができる「OraQuick」を認可。

  • 2003年、2000年、ナショナル・ラティーノHIV/AIDSアウェアネスデーがはじまる。

  • 2004年、唾液を使ってのHIV検査が認可される。

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CDCが抗HIV薬の曝露後予防内服(Post-Exposure Prophylaxis; PEP)のガイドラインを発表する。針刺し事故などHIV感染の危険性に曝された後、3日以内に抗HIV薬を28日間使用して感染を予防すること。100%ではないが、感染の危険を減らすことができる。

  • 2006年、マージョリー・J・ヒル医師が、黒人女性として初めて、「ゲイ・メンズ・ヘルス・クライシス」の長官になる。

  • 2007年、FDAHIVインテグラーゼ阻害薬のアイセントレスとCCR5阻害薬マラビロクを認可する。

  • 2008年、世界的なHIV/AIDS対策のためになされた大規模な米国大統領エイズ救済緊急計画(President's Emergency Program for AIDS Relief, PEPFAR)がさらに5年間延長される。

  • 2009年、黒人間での感染を予防するための、キャンペーン「グレイター・ザン・エイズ・キャンペーン」が開始。

  • 2010年、いわゆるオバマケア法案が可決。多くのHIV/AIDSを持つ無保険者が健康保険を持てるようになった。

  • 2011年、ヒラリー・クリントンが「エイズのない世代」のために、行動しようと呼びかけ。

  • 2012年、FDAが初のHIV曝露前予防投薬(PrEP)であるツルバダを認可。服用により、HIVに感染するリスクを減らせるという。

  • 2013年、7800万人がHIVに感染し、約3900万人が、関連疾患で命を奪われた。

  • 2014年、CDCは、「30年後には、20歳の黒人ゲイ男性の7割がHIVに感染しているだろう」と予測。

  • 2015年、600人のツルバダ服用者を3年間観察した研究により、HIVに感染する人がいなかったという報告。

HIV/AIDSについて知らなかったこと

今回まとめてみて初めて知ったことがいっぱいありました。何よりびっくりしたのが、「HIV感染予防薬」ツルバダが実用化されていたこと。HIV感染予防と言えばコンドーム使用や針の使い回しをしないことだと思っていて、今もそれは主流ですが、薬という方法があったとは!もっともこのように事前に服用して、感染を防ぐ薬を広めることは、逆にコンドーム着用率を下げてしまう、などの批判もあるようです。実際、ゲイ男性の中には、コンドームをつけるのが好きではないからという理由でツルバダを服用している人もいます。パートナーがHIVポジティブな人のために処方されたりもするようです。といっても毎月1000ドル〜1400ドルくらい薬代の自己負担がかかります。また「うっかり」HIV感染の危険に晒されてしまった時も、急いで薬をのむことで、感染の危険を減らす「PEP」というのもあるんですね。

yuichikawa.hatenablog.com

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*1:この年表はHistory of a Pandemic | Advocate.comを参考にしました。カバーしている国や地域が偏っていますがご容赦ください