#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

ウォーキングデッドのスピンオフ...やっぱり「死ぬのは黒人ばかり」なのか?

ザ・ウォーキング・デッド TVシリーズ/ ダリル・ディクソン 10インチ アクションフィギュア

人気テレビ番組『ウォーキング・デッド』のスピンオフである『フィア・ザ・ウォーキング・デッド

アジア人の登場人物が少なくてがっかりしたことは初回放映後に書いたが、二話目の放映が終わった今今度は「黒人が死にすぎる」と批判が出ている。確かに、まだたった二話だけなのだが、ゾンビ化して死んだのは黒人ばかり。そしてもう一人、感染しているのも黒人のキャラクターだ。ウォーキング・デッドは本編の方でも、「黒人殺しすぎ」と批判されていたが、スピンオフでも、それは変わっていないようだ。

こういうことって「些細なこと」のようで、そうじゃないんだよね。「アジア人はいつも脇役」「黒人はいつも死ぬ」そして、「ヒーローはいつだって白人」というメディアの偏向は、わたしたちの無意識に忍び込み、そして「一見些細な」しかし、確実に人々に影響をおよぼす差別を再生産していくからだ。

興味深いのは、このドラマが、ファーガソンをはじめ、今、全米各地で実際に起こっている「警察の不公正」に対する抗議活動をも描いていることだ。ドラマのなかでは、警官が無抵抗のホームレスを何度も射殺したことに激昂した人々が抗議活動をはじめ、それはやがて暴動へとエスカレートする。つまり、このドラマは、人々がこういう警察の不公正(それはしばしは人種差別と分かちがたくむすびつている)にうんざりしていることには意識的なのだ。

また、主人公の家族にラテン系と白人のカップルを入れ、ラテン系のキャラクターもかなり豊富にキャストしている。ということで、ポテンシャルはあると思うのよね。

まだ始まったばかりのこのドラマ、ストーリーは面白いので、決めつけずに見守っていきたい。