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虹の向こう側

「HIVだなんて知らなかった」元カノに訴えられたチャーリー・シーン/HIV感染の黙秘は犯罪か?

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HIVだなんて知らなかった」訴えられたチャーリー・シーン

HIV感染を明らかにしたチャーリー・シーン(50)のことを、元婚約者のブルット・ロッシ(Brett Rossi / Scottine Ross)(26)が訴えました。

ブルット・ロッシからの訴状は20ページ以上にのぼり、暴力や肉体的・精神的虐待などの多くの主張が並べられています。なかでも最大の主張が「HIV感染を知らされていなかった」というものです。ブルット・ロッシは、少なくとも5回は関係を持ったと主張しています。

チャーリー・シーンは、過去に性依存で苦しんだ経験があり、多数の女性と性関係を持ったことを公表しています。元婚約者以外にも、チャーリー・シーンを訴える予定の女性たちがいると報じられています。実際の訴訟は今回が初めてです。

HIV感染の危険は「刑事罰」で対応するべきか?

今回のチャーリー・シーンへの裁判は主に、賠償金を目的としたものだと思いますが、中には「刑事訴追を求める」と発言している元パートナーもいます。

HIV感染を打ち明けないことは「犯罪」になりうるのでしょうか?

イギリスなどは、HIV感染に特化した法律ではなく、既存の刑法による殺人や傷害罪によってHIV関連の犯罪を裁いています。それに対して、アメリカでは30以上の州において、HIV感染者に対する法律があり、2008年から現在まで、少なくとも226人が、HIV感染に基づいて逮捕・訴追をされています。

法律の内容は州ごとに異なり、24の州では、性的パートナーにHIV感染を打ち明けなければならず、14の州では、針を共有しているパートナーにHIV感染を打ち明ける義務があります。そして25の州では、感染の危険の薄い行為(噛むことや、唾を吐くこと等)なども刑事訴追されえます。実際にHIV感染がなくても、犯罪となりえます。つきあっている時は、パートナーがHIV感染を承知していた場合でも、別れた後に、「知らなかった」といって訴えられたりすることも可能です。

1980年代に、エイズHIVが発見されたばかりの時、HIV感染はほぼ死刑宣告と同様の脅威でした。しかし、その後多くの治療法が発見され、HIV感染はもはや「死」とイコールではなく、「治療」を続ければしっかりと生きていける感染症となっています。

それにも関わらず、HIV感染の危険がある行為をひどく重く罰したり、中には、実際にHIV感染がなくても罰せられる可能性があるというのは、HIV感染者に対する差別を助長するとして、今徐々にこのような法律を撤廃するべきだという動きが起きています。

例えば、今年の5月、ミズーリ州で、黒人のゲイ男性であるマイケル・ジョンソン(23)に、同意のあるセックスでHIVを感染させてしまった罪で「30年」の判決が下りました*1。確かに彼は自分のHIV感染の事実を知らせるべきだったと思いますが、これは、いくらなんでも罪刑の均衡が取れていません。この裁判は、陪審裁判によるものでしたが、ホモフォビアや人種差別が、HIV感染者への差別と合わさって出てきた不公正な判決だと思います。

もちろん、HIVを故意に広めようとする人がいるのも事実です。しかし、そういうケースは稀ですし、それが起こった場合も、通常の刑法で対応できます。

そう考えると「HIV感染を公表しなければいけない」とする法律は、今後撤廃していくべきだと思います。

参考記事:http://www.usnews.com/news/articles/2015/11/17/charlie-sheen-hiv-and-disclosure-laws

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