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アメリカで働くレズの徒然

恐ろしすぎる人種ホラー。チビるほど怖いのに爆笑も出来る不思議な新ジャンル映画『ゲット・アウト』)』がヤバい!

 

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いや〜すごい映画を観てしまいました!『ゲット・アウト(原題:GET OUT)』。わたしは評論家ではないので、映画の良し悪しはわかりませんが、好き嫌いでいったら、間違いなく、今のところ2017年でもっとも気に入った映画です。

 

※注意。以下結末を含むネタバレを含みます。映画によっては、ネタバレはさほど気にしなくてよい作品もあると思いますが、この映画はミステリー要素を含むので、以下未見の方は十分に注意してください!

 

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あらすじ(以下ネタバレ含むので注意)

 

カメラマン、クリス(ダニエル・カルーヤ)は恋人であるローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に挨拶へ行く計画を立てていた。

 

ローズの家族が、自分が黒人であると知らないことが心配なクリスだが、ローズは「父さんと母さんは人種を気にするようなレイシストじゃないわ。歓迎してくれるはずよ」と言う。ニューヨークの高級住宅街にあるローズの実家へ向かう途中、2人の乗る車は飛び出してきた鹿を引いてしまう。事故現場にやって来た白人の警官がクリスに横柄な態度を取り、身分証明書を要求したため、ローズは警官を一喝する。そんな恋人を頼もしく思うクリス。

 

アーミテージ家に到着した2人は、ローズの父ディーンと母親ミッシーから暖かい歓迎を受ける。ディーンの案内で家を回ったクリスは、甲斐甲斐しく働く使用人のジョージーナとウォルターに挨拶する。

 

ジョージーナとウォルターは黒人だが何か様子がおかしい。ディーンは「『白人の家族が黒人の使用人を使っている……』って思ってるんだろ(笑)彼等は両親を世話するための使用人で、両親が亡くなった時に、彼等を路頭に迷わすことなんてできなかったんだよ」と気さくに笑い「オバマに三期目が可能なら、投票するよ。最高の大統領だ!」とオバマ支持者であることなども述べながらうちとけようとする。

 

クリスが禁煙しようとしていることを知った精神科医のミッシーは「禁煙のために催眠療法を受けたら」とすすめるがクリスは丁重に断る。途中で登場したローズの弟は、夕食のテーブルの場では、酔っ払った挙句、クリスは「家系的に」格闘技が得意なはずだ、と勝負をしたがる。

 

その日の夜、クリスが一服しようと家の外に出ると、ウォルターが家の周りを全力疾走していた。ジョージーナは窓を凝視していた。2人の不気味な振る舞いに恐怖を感じたクリスはタバコを吸わずに家の中に戻るが、ミッシーが待ち構えており、そこで彼は強制的に催眠療法を受けさせられる。

 

催眠によって、クリスは母親が亡くなった夜を思い出す羽目になった。汗だくで目覚めたクリスは、ミッシーと出会ったことも夢だと思おうとするが、翌日、クリスは煙草を見ると強烈な不快感を抱くようになっていた。催眠術は本当にあったことなのだ。

 

ウォルターに話しかけるクリスだが、ウォルターはよそよそしく、言葉づかいも奇妙だ。

 

その日はハウスパーティーの日で、招待客が続々とアーミテージ家にやってきた。ほとんどの招待客が年配の白人であり、「タイガー・ウッズと知り合いだ」と言ったり、クリスの筋肉に触ったりして、クリスを居心地悪くさせる。

 

少し離れたところで、「彼等は皆無知だ」という一人の客、クリスも知るアート・ディーラーのジム・ハドソンだった。盲目でありながら、アシスタントの助けと共にアートを手がけるジムは、クリスの写真がユニークだと褒め、クリスの目の付け所を褒める。

 

人混みに戻ると、一人黒人の客がいる。ほっとして話しかけると、ローガンはずっと年上の妻を持つ黒人の青年で、アーミテージ家で働くスタッフと同様に感情表現に乏しく、黒人同士よくやるフィストバンプ(拳と拳を付き合わせる挨拶)にも応えない。しかし、彼の顔は見覚えがある。

 

気分が悪くなる一方のクリスは、親友のTSA(空港警備員)であるロッドに連絡を取ろうとするが、携帯電話の充電が切れていることに気づく。ジョージーナが充電コードを勝手に抜いていたのである。「掃除をしていて触ってしまいました」と謝りにきたジョージーナに、「白人だらけで居心地が悪い」と本音を漏らすとジョージーナは、「心配しないで、彼らは家族のように扱ってくれる」とクリスを安心させようと、奇妙なほどにニッコリと笑うが、同時にノーノーノーと口走り、目からは涙がこぼらていた。

 

クリスが見覚えのある男ローガンの写真をこっそり撮ろうとしたところ、フラッシュが光った。光を浴びた瞬間、ローガンは突然鼻血を出し「出ていくんだ!出ていくんだ!(GET OUT!)」と叫びはじめ、クリスに殴りかかる。ローガンはミッシーの部屋に連行された。催眠療法を受けたローガンはすっかり落ち着きを取り戻していた。

 

気分が悪くなったクリスは、ローズと散歩に出かけ「もう家に帰ろう」と決める。

 

その頃、アーミテージ家では、ローズの父親ディーンが招待客を相手に怪しげなオークションが開かれていた。写真に写っている「景品」はクリス。そして、落札したのは、盲目のアートディーラー、ジム・ハドソンだった。

 

その夜、クリスとローズが家に帰る準備をしている最中に、クリスは、偶然ローズの古い写真を見つける。そこには多くの黒人男性とローズの2ショット写真があった。黒人とつきあうのは初めてと言っていたローズだが、実は他にも多くの黒人を連れてきていたのだ。ローガンとの写真、ウォルターとの写真、さらには、ジョージーナとの写真もあった。クリスは自分の身に危険が迫っていることを知る。

 

クリスが家を出ようとすると、弟のジェレミー、さらには、両親に行く手を阻まれる。ローズも車の鍵をいつまでたっても見つけだそうとしない。ローズは初めから一家による黒人誘拐計画の一味だったのだ!催眠術で力を失ったクリスは、地下室に閉じ込められてしまう。

 

一方、クリスの親友ロブは、クリスから送られてきた写真が古い知り合いのアンドレ・ヘイワースであり、彼は数ヶ月前から行方不明になっていることを知る。クリスの犬の世話をしながらも、クリスが予定を過ぎても帰ってこないことで、心配し始めるロブ。アンドレが年上の白人女性といたと聞いていたことから「黒人男性が誘拐されて、洗脳され、性奴隷にされているのでは」と警察に駆け込むが笑われて相手にされない。

 

地下室で目覚めたクリスは、古いテレビから流れるメッセージによって、アーミテージ一家とその友人たちは、脳移植によって永遠の命を手に入れることを目的とした秘密結社の一員なのだと知る。

 

感想

 

めっちゃくちゃ面白かったです!

   

人種がテーマのホラー

 

「人種差別ホラー」とか言われてるみたいですし、確かに人種に関係したホラーだし、映画の冒頭や、警察とのやりとりも、ここ数年メディアを騒がせている黒人男性への差別や暴力を思わせるスタートなのだけど、映画の本筋は、いわゆる一般的に想像できるような「典型的な人種差別」とは違います。

 

むしろ、ここに出てくるのは「黒人が好き」なリベラル白人たち。むしろ、黒人になりたい!っていうくらい。それをかなり病んだ方法で実現しちゃってる人たちなのだけど。でも、いくら「黒人が優れてる」と思ってるとしても、それで立派な差別なのだし、人を居心地悪くさせるにはぴったりなのですよねー。

 

マイクロアグレッションを思い出しました。

 

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お笑いもある

 

しかし、この映画は単にガチガチに差別を意識させられたり、不気味で怖いだけではなく、笑えるところもあるんですw ミステリーとお笑いってものすごく相性悪い感じですが、親友のロブがめちゃくちゃいい味だしています。

 

いや、これ、ロブの存在がなければ相当陰鬱な作品になってたのではないでしょうか?

 

キャストについて

 

主演のダニエル・カルーヤは、ネトフリの『ブラックミラー』でも現代を風刺した作品で好演してましたね。一見無表情っぽく見えるのですが、感情出すとこのコントラストがよくて、なかなかよい味出してます。彼女役のアリソン・ウィリアムズは、若者版SATCと言われた『GIRLS』に出演してました!可愛いっ!

 

あと驚いたのは『40歳の童貞男』のヒロインを演じていたキャサリン・キーナーが母親役として出てたこと!かなり太っていて、うわーという感じでしたが、催眠術を操るなど、怪しい魅力は健在でした。

 

イマイチだったところ

 

かなり、気に入ったんですが、後半脳移植とか出てきたあたりからは段々、B級色が強くなってきた気がしました。

 

前半の、心理スリラーな感じが好きだったので……。あと、黒人たちの奇妙で不気味な振る舞いは、脳移植をしたためだったのねえーと、妙に最後になってキッチリ謎が解けてしまうところが物足りなかったです。

 

もっと知りたかったのは、ローズの過去とか内面ですかね。ローズも人間だと思うのですが、どんな気持ちで黒人たちを誘惑し続けてるのか……?

 

前半のキュートなカップルっぷりが可愛いかっただけに、ちょっと残念でした。

 

監督のジョーダン・ピールについて

 

この映画は、もともとコメディ・セントラルでキー&ピールという番組をやっていたジョーダン・ピールが脚本・監督を務めた作品です。

 

ジョーダン・ピールは、もともとお笑いの人なのですが、当時から人種や社会問題について皮肉のきいたお笑いネタを繰り広げていました。

 

例えば、黒人の権利だったら真正面から「BLACK LIVES MATTER!」とか、LGBTネタだったら、「IT GETS BETTER」とかじゃなくて、ひとひねりしてあるんですよね。

 

彼自身も黒人で奥さんが白人なのですが、映画のアイデア自体はそこから得たものではないようです。「僕の義理の家族は皆知的で文化的で素晴らしい」とインタビューで言ってました。←ピールの妻の家族がこの映画観たら気まずいのでは?と前半想像しちゃいました。

 

キー&ピールについては改めて書きたいと思います。  

 

評価

 

お笑い度 ★★★★☆
サイコスリラー度 ★★★★★
社会派度 ★★★★★


ゲット・アウトについての日本語記事

 

実際の感想ブログなどは見つかったら追加していきますね!

 

https://oriver.style/cinema/get-out-trailer/

画も恐ろしい人種差別を扱ったホラー映画「ゲット・アウト」予告編 | ギズモード・ジャパン