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アメリカで働くレズの徒然

「あなたは全く新しい世界を見せてくれた」母親がゲイの息子へ宛てた手紙が感動的

photo by cammy♥claudia

ある母親がゲイの息子へ宛てた手紙が静かな感動を呼んでいます。内容は以下のとおり。

私は、息子に愛していると常に伝えています。また私が彼を誇りに思っていることも。私が彼に毎日伝えていないことというのは、彼の母親であることによって、いかに私の世界の見方が変わったかということです。そこで、この手紙を書きました。

親愛なるダニー。

マジックカーペットの乗り物に乗って「ホール・ニュー・ワールド」を歌った時のことを覚えていますか?私がわかっていなかったのは、あなたは本当に私に新しい世界を見せてくれているということでした。

あなたの子供時代は、お姫様と、ポニーと、お人形と、ペガサスとユニコーンと人魚で一杯でした。誰もが何にでもなれる世界でした。その世界ではおもちゃや遊びにジェンダーは存在しなかったので、子供は何とでも誰とでも遊ぶことができました。その世界では、色にもジェンダーはありませんでしたので、世界は紫色とピンク色にあふれ、あなたはそれらを自分の色だと主張しました。

もちろんあなたは本当の世界を生きなければならず、それは時にとても困難なものでした。成長するごとに、変わるようにという圧力はどんどん大きくなりました。あなたはいくつかの調整を行い、あなたの一部を世界から隠しました。あなたは孤独と憂鬱を経験しましたが、あなたはあなた自身の核をそのまま保つことに成功しました。あなたの美しい精神は、あの頃も今も美しいです。

あなたは成長し、あなたの初めてのボーイフレンドと出会いました。あなたは私に愛がジェンダーによって制限されない世界をみせてくれました。そして、同性婚が実現した日、私たちは一緒に前進しました。私は泣きました。あなたが平等な権利を持つ人間として認められたからです。

前回、あなたが家を訪ねて来た時、あなたの親友の1人があなたのネイルをキラキラに塗るのを見ました。そして、私は、あなたが子供の頃見せてくれたあの「新しい世界」を見たのです。

ジェンダーの箱に入れられることなく、子供たちが自由に遊び、探検できる世界。そこにはジェンダーの箱は存在せず、ただ自由だけがあります。皆が愛情につつまれ、誰も、違うからといっていじめられるようなことはありません。

全ての子供が、ありのままで無条件に愛される世界であり、LGBTQであるせいでホームレスになったり、虐待されたり、屈辱を受けさせられたりしない世界。全ての人が受け入れられ、祝福されるので、子供がゲイだったりトランスジェンダーだからといって誰も恥ずかしがらない世界。

そこは、私達が皆、人々の多様なジェンダーアイデンティティーを認識する世界。ジェンダー多様性はただ受け入れられるだけでなく、尊重され、祝福されています。ジェンダー自認やジェンダー表現のおかげで、誰かに後ろから刺されるかも、などと心配しなくてすむ世界。誰もが自分を十分に表現しながら、安心して外を歩ける世界。

そこは誰もが狭く定められたものなしで、大きな夢を抱くことができる世界。全てのジェンダーの人が強く、賢い。美しく見えなければ価値がないなどとは誰も思わない世界。誰もが愛情深く、感情を表すことができる世界。そして、誰も男らしさを証明するために、去勢を張ったり、暴力を振るわなくてすむ世界。

その世界では、いろいろなやり方で人を愛し、家族を作る自由がある。ロマンティックなつきあいや一つの方法はないし、結婚とはこうあるものだという決まりごともない。家族とはこういうものだという単一の形もない。

全く新しい世界 素晴らしい眺め 誰にもダメだとか、どこに行けと言われい 夢を見ているだけだとも言われない世界

こうして、新しい世界を、この素晴らしい世界を見てしまった今。私はそここそが私が住みたい世界だとわかっています。あなたが結婚できるからってどうっていうことのない世界に住みたいです。あなたがあなたらしく、そして、私は私らしくいられる世界に住みたいのです。そこでは私達全てが自由なのですから。

この世界が来ることを私は知っています。これは単なる夢ではありません。もうちらっとだけど見えています。この世界を見せてくれて、ありがとう。あなた自身でいてくれて、ありがとう。

大きな紫色のユニコーンのハグとキラキラと共に。

ママより。

原文はこちら

家族にもサポートが必要

この手紙を訳しながら、『ホール・ニュー・ワールド』を聴いていたんですが、何か感極まって涙が出てきてしまいました。全く新しい世界は夢じゃない。もうそこまで来ているんです。

LGBTの直面する差別は、当事者たちのものだけではありません。LGBTの家族もまた、カムアウトを受け、そしてその後自分たちがカムアウトする立場になり、社会の偏見や不理解に直面しながら、生きていくのです。そんななかでも、このようにポジティブなメッセージを届けてくれたこのお母さんのメッセージに胸が熱くなったんです。

この手紙を受け取った息子のダニー・モレノ(Danny Moreno)さんは、オレンジカウンティーの大学UCIを卒業後、シンガー/ダンサーとして活躍しています。

www.dannymorenoonline.com