#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

母の日に感じた「家風」の違い

母の日にFionaの家族と過ごして、自分の育った家とのノリの違い……家風というのかな?の違いを痛感した。

Seafood Market photo by Flickr: alykat's Photostream

母の日はFionaの両親と弟がうちに集合し、そこから一台の車でビーチに向かうことになっていた。目的はカニやロブスターなどの新鮮な海鮮類をその場で調理してくれるマーケット。事前に言われたように、ニンニクを潰して醤油に漬け込んだタレや、レモンジュースなどを小分けのタッパーに入れて用意しておいた。海鮮に合う、オリンピア土産の白ワインも用意してある。

ビーチの海鮮マーケットは、日曜日はとても混むので、集合時間は、少し早目の11:30になっていた。弟は、少し遅れて到着したが、しかし、お母さんとお父さんは、12時ごろまでつかないと電話があった。しかも、外が結構寒いので、お母さんはビーチではなくて、普通に飲茶レストランで食べたいと言っているらしい。 わたしは飲茶も好きなので、どちらでも全然構わないのだが、Fionaは「せっかくゆうがソースも用意してるんだし、お母さん外出て歩かないとダメ!」と主張。とりあえず全員集まってから店は決めることに。

Fionaの両親を待つ間に、バルコニーの、換気口の取り替えをやってみようということになった。←わたし達は、ちょうど前日にハシゴを買ったばかりで、自分達でできるならよいのだが、男手を借りる必要があるかどうか試そうとしたのね。弟の力も借りて、ハシゴやら、ドライバーやらを出してガタガタ大事になったところへ、ようやく両親が到着。「先にご飯に行く?」とFionaに聞くと、弟がハシゴに登って四苦八苦の真っ最中だったこともあり、「これが終わってから」と言う。ビーチに行くのはFionaのアイデアで、彼女はビーチに行きたくて仕方ない。レストランに行きたいと言っていたお母さんも言いくるめられて「じゃあビーチでいいかな」と。お茶を出したり、ハシゴを手伝ったりしてるうちに、時間はどんどん経ち、ようやく出発できた時は、既に1:30過ぎであった。←予定より二時間遅れ。

車に5人乗り込み、かなり居心地悪い状態ながら、ビーチに到着すると、駐車場から非常に混み合っていて、まったく車が動く気配がない。しびれを切らしたFiona達は「やっぱりレストランに行こう」とUターン。しかしそこで、Fionaパパが「近くにある別のビーチなら、似たような海鮮マーケットがある」と提案。20分ほど離れたそちらのビーチに向かうことに。スマホでナビをしながら途中まではるんるんだったが、高速を降りたあたりで、車が道にびっしり。悪い予感が……。 Yelpを見ても「ここは休日は大変混みあうので平日に行くべき」と書いてある!渋滞のなかを運転し続けているFionaは当然イライラしているし、他の皆も空腹で苦しく、お母さんに至っては、ずーっと目を閉じている。

この状態でさ、わたしはもう内心ハラハラなわけですよ。「だからはじめっからレストラン行こうって言ってたじゃん!」とか誰かが言いかねん。「お母さんたちがもっと早く来ないからじゃん」「お前らがバルコニーがだらだらしとるからだろう!」「誰がこのビーチなら空いてるなんて言ったの?」と、責め合いと責任のなすりつけ合いがいつ始まるか……と身をすくめていたのだが、誰も、お互いを責めるようなことを言い出さない。

むしろ、車内に弟が持ってきてくれたドーナッツがあったのをネタにして「いざとなったらドーナッツがあるさ」「ドーナッツは命を救う!」とか冗談を言って笑い合っている……。そんな家族の風景を見て、当たり前なんだけど「家族ってそれぞれこんなに違うんだな」と改めて実感した。

わたしが育った家庭は、それなりによくしてくれた家だとは思うが、とにかく不寛容な空気が張り詰めており、何かあると、すぐお互いを責め合うような雰囲気があった。だから、すぐに「わたしのせいじゃないよ!」と予防線を張るような言い訳をする癖がついたし、何かあればすぐ人を責めるような性格に育ってしまった。でも、人とのつきあいかたってそんな、「殺られる前に殺る!」的な殺気立った感じじゃなくてもいいんだよな。前から薄々感じていたことではあるけど、改めて思った。それに、最近では、家庭の外に出たわたしや妹がそういうことを学ぶことによって、家族と再会した時のギスギス度が減ってきているような気もする……←願望かもしれないが。他の家庭と接し、彼らの「ノリ」を学ぶことによって、自分の「偏った」性格が少しでも治ればいいと思う。

結局ビーチで海鮮というのはすっぱり諦めて、結局また30分かけて引き返し、初めにお母さんが食べたいと言っていた飲茶レストランに行くことになった。もはや時刻は3時前。到着した時は皆相当クタクタ&ペコペコだった。用意していたワインもソースも全部無駄骨。でも空腹で食べた飲茶はめちゃくちゃ美味しかった。

他にもたくさん頼んだのだが、撮るの忘れた。美味しかったのは、チマキ的な、もち米に肉を入れて葉っぱで巻いて蒸したのと、豚肉リブの煮込み。

初めて食べたこれは「アヒルの舌」。一見ほとんど食べる場所がないように見えるが、クチバシにこびりついている肉をこそげとって食べる。ゴムのような弾力があり、味がしっかりついていて美味しい!

こちらも初めて食べたデザート。シルキーな豆腐に甘いシロップがかかっていて、ほのかに生姜の味が。甘味なんだけど、体によさそう。