#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

【交渉術】雑談と世間話で勝つ!スモールトークの活用法

Small Talk: How to Start a Conversation & Talk to Anyone (English Edition)

英会話のなかでも、特に日本人が苦手だと言われるのが「スモール・トーク」です。

スモールトークとは

スモールトークは、いわゆる「雑談」「世間話」です。エレベーターのなかとか、スーパーのレジとか、人が集まるホームパーティや異業種交流会などで行われます。内容としては、こんな感じでしょうか。

「こんにちはー調子はどう?」
「悪くないよ〜ドジャーズの試合に向けて準備万端だよ」
「わお!昨日のダルビッシュは超かっこよかったね!」

あとは……

「あれ、久しぶりだね!」
「日本に帰ってたんだ」
「まじで!うちの両親も今日本旅行しているよ、偶然だね!」

低レベルな例しか思いつかず、すみません(汗)。ほんとなんてことない会話です。天気の話とかです。なかにはレジで長々話し込んでるおじちゃんとかいて、スモールトークって言っても結構がっつり話す場合もあるみたいです。

スモールトークはアメリカ人でも苦手な人がいるようで「スモールトークのやり方」というような記事がよく出ていたりします。

8 Ways to Make Meaningful Small Talk | Goop

An Introvert's Guide To Small Talk: Eight Painless Tips

さて、そんなスモールトークですが、実は交渉の場面でも大事です。

スモールトークのメリット① ラポールの形成

スモールトークによって相手と友好的な雰囲気を作ることができます。これは「ラポールの形成」と言われ、交渉のためにプラスに働きます。

ラポールとは、ナンパ術でもよく聞く用語ですが、要は「相互信頼関係」のことです。

ビジネスでも、プライベートでも、相手との間に「ラポール」があるとないとではその後のコミュニケーションの成功率がまったく違います。よく映画などでは「タフネゴシエイター」とか強面のキャラが出てきますが、相手と敵対的な雰囲気で交渉するのは、よい戦略ではありません。相手と友好的な雰囲気を保ちながら、問題に対しては毅然と対処するのがベストだと言われています。

そのラポール形成のために

  1. しっかり目を合わせ
  2. ゆったりとした笑顔をつくり
  3. 自分のちょっとした情報を開示して相手の情報も貰う

…という特色のあるスモールトークはとても役にたちます。

興味深いのは、スモールトークのメリットは男性にとって大きいという研究結果があることです。

男性の交渉人は、無意識のうちに攻撃的だと見られているため、スモールトークを行ってフレンドリーな対応を行うことが、交渉にプラスに働くようです。しかし、女性の交渉人は、初めからフレンドリーで相手に合わせてくれるだろうと期待されているため、スモールトークの効果はあまりないのです。もちろんスモールトークをしてマイナスになることはありません。

(女性が交渉する際の問題点や交渉術は他にもあるので、別エントリーでまとめます)

スモールトークのメリット② 情報収集

スモールトークを通じて、交渉に使える相手の情報がさり気なく聞き出せる場合があります。占い師が使うテクニックに通じるものがあるかもしれません。

そのため、交渉の際はぼーっと世間話をするのではなく「スモールトークの段階から既に交渉は始まっている」という意識でアクティブに臨む必要があります。

例えば、こんな感じです。

「週末はどうでしたか?」
「いや、また時差ボケで……。日本に行くのは慣れてますが東海岸に行ってすぐトンボ返りっていうのは一番辛いですよ」
「ああ、時差ボケ辛いですねー」

↑【分かること】日本や東海岸への出張が多い。

「それにしてもすごく素敵なピアノですよねー。どうして売っちゃうんですか」
「実は、ヨーロッパへの転勤が決まって、来月には行かなくちゃいけないんです」

↑【分かること】時間的に焦っていて絶対に売らなければいけない。

「それにしてもすごく素敵な家ですねー。どうして売っちゃうんですか」
「これは、実は自分のじゃなくて、おばあちゃんのだったんですよ。でも急に亡くなってしまって、どこに何があるのかもわからないし、親戚は皆他の州にいるし、困ってるんです」

↑【分かること】売るものの価値が分かっていない。思い入れがない。

このように、ちょっとした会話の端々から、相手にとってのBATNAやRVを推測させるような情報を集めることができます。

本来のスモールトークは、本題と関係ないトピックの会話を指すことが多いので、最後は厳密な意味でのスモールトークではなくなってるかもしれませんが……。交渉中、本題に関する話題であっても、ちょっと「そう言えば……」みたいに、交渉っぽくない、世間話っぽいトーンで話を投げかけることで、交渉材料を集めることができます。

ぜひ、試してみてください。

Study: Small Talk Before A Negotiation Helps Men - Business Insider

Does Small Talk in Negotiation Offer Big Gains? - PON - Program on Negotiation at Harvard Law School

More Secrets of Super Negotiators: The Power of Small Talk