#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

一人ボンジュノ祭り、開催中

母なる証明 [Blu-ray]

ここ三日連続でボン・ジュノ作品を観てました。昨日は軽い気持ちでHuluで『母なる証明』を見たら…いやはや、すごかった!

冒頭、キム・ヘジャ演じるお母さんが野原で踊っているシーンからして、度肝を抜かれました。「母性愛」を描写するために、ありがちな展開や予定調和を拒否し、不穏な空気を高めていくのが本当にうまいです。少し古い作品だけど本当に観てよかったです。もう一度観たいですね。

ボン・ジュノ監督の作品が好きな方には、アメリカのジョーダン・ピール監督の作品がおすすめです。特に、パラサイトが気に入った方は『US』を観るとよいでしょう。これらの二つの作品には共通するものがある気がします。

『鬼滅の刃』の次にでも、観てみてね!

今の気持ちを書いておいた方がいいのかな

今日、彼女と一緒に明日起こりえるシナリオを色々想定して心の準備をしていた。圧倒的な差をつけて結果が出れば良いけど、明日で決着つかない可能性はあるし、かなり長い間結論が出なくてモヤモヤしたり、多くの抗議活動で混乱が起きる可能性もある。その全てを考えたくないシナリオも含めて想定した。もちろんそれで何が変わるわけじゃないけど。

四年前は、全然心の準備ができていなかった。Fちゃん自身全然クリントンが好きじゃなくて直前までウジウジしてたのに、なぜか絶対にクリントンが勝つと思い込んでた。開票速報の数時間、友人たちとテレビの前で呆然としてたあの夜のことは一生忘れない。

最悪の事態なんて全然起こりえる。この4年間で、それは痛いほどわかった。気持ちの準備だけじゃなくて、食料や水も少しずつ備蓄していたので、しばらくは外に出なくてよい。

アメリカという国が、どういう選択をするのか。もちろん一枚岩じゃないのはわかってるけど、どこの層がどんな投票行動に出るのか。それによって、自分のこの国への思いや信頼や、将来の人生設計も変わってくる。大袈裟に聞こえるかもしれないけど。

インドのお見合い番組『インディアン・マッチメイキング』と東南アジアの「カラリズム」

ネトフリのお見合い番組インディアンマッチメイキング

インドのお見合いをテーマにしたリアリティ番組『インディアン・マッチメイキング』をネトフリで観ました!

『インディアン・マッチメイキング』はインドとアメリカをまたにかけて活躍するマッチメイカー(お見合いおばさん)のシミ・タパリアと、結婚相手を探すインド人たちの悲喜こもごもを描いたリアリティ・ショー。

テキサスに住む34歳の女性弁護士、母親からプレッシャーをかけられる25歳の男子、南米ガイアナからの移民だが、エスニックなルーツがインドのため、インド系の出会いを求める32歳の女性、バツイチ子持ちで出会いを求める女性……多才な出演者が登場します。

インド文化は、その派手な結婚式のイメージが強いですが、この番組を観て改めていろいろインドについて、インドの恋愛文化について衝撃の事実を学びました。 

  • 結婚へのプレッシャーすごい
  • 宗教が大事
  • 家族と仲良くなるの大切
  • 交際スタートしたら即結婚
・身長や体型へのこだわりすごい
  • 星座へのこだわりすごい


もちろんこのショーで描かれているのはインドの一部にすぎないと思うし、これらの文化について良し悪しをジャッジするつもりはありませんが、上記のようなトピックと絡んで、色々な批判が出てきています。

セクシズム 体型差別 カラリズム(肌の色に基づく差別:インド人の中での話なので微妙に人種差別とは別の用語が選ばれていますが、実際には関係があります。 カースト制度

お見合いおばさんのシミや登場人物たちの家族の語る結婚観は伝統的で、ジェンダー観とか割と古くさく、モダンな登場人物と意見が合わないことも。観ているこちら側がイライラする場面もありました。実際「セクシズムや体型差別を正当化している!」という批判が出てきています。また、わたしには用語がわからずピンとこなかったのですが、インドからの反応を見ると、カースト制度を正当化しているという内容でも批判があるようです。

このような事情は抱えているもの、とにかくいろいろな人の人生が垣間見れて興味深い。大きなドラマもなく、空き時間にサクッと観られる作品となっています。

あと面白かったのは、シミが仏教徒なのですが途中で南無妙法蓮華経〜と、日本人にも馴染みのあるマントラを唱えていたことです。


さて、カラリズム(「肌の色」に基づく差別)が問題になっているのは、インドだけではありません。中南米や、米国の黒人社会、そして、東南アジアなどでも同様の問題があると言われています。

フィリピンでは、身体に有害だが安価な「水銀」を使った肌を白くするクリームが問題になっています。健康被害の危険も顧みず、あの手この手で肌を白くしようとするフィリピンの人々の姿と、違法なクリームを取り締まろうとする人を追ったドキュメンタリーがYouTubeで観られます。

この動画でわかるのは「肌を白くしたい」というのは、純粋に美的な要請ではなく、歴史的に多くの宗主国に支配されたフィリピンにおいては、肌の色が社会階級と結びついており、「肌の色が白い」ことで地位・権力・成功が手に入ると考えられている点。

2016年には、タイで美白化粧品のCMが炎上しました。

「白い肌が成功の鍵」だと訴えるクリエーティブは国際的には「人種差別的」だと非難を浴びましたが、実際タイ国内で放映されたこのCMの真の問題は、他人種を貶めるという意味での人種差別というよりも、同じ人種内での「カラリズム」なのかもしれません。

『愛の不時着』観終わりました&次に観る韓国ドラマ

愛の不時着 オリジナル・サウンドトラック

ネトフリで配信されている『愛の不時着』を観終わりました。

正直、ラブコメとかあんまり興味ないし、第一話を観終わった段階では「ちょっと退屈」だと感じていたのですが、「二話以降面白くなるから」と言われて観たところ、まんまとハマりました。

『愛の不時着』あらすじ

韓国の財閥の令嬢であり、自らも立ち上げた「セリズチョイス」を経営する才女のユン・セリ(ソン・イェジン)。財閥の後継者選びをめぐって、家族とも折り合いが悪い。仕事人間で、恋愛スキャンダルですら、自社ブランドの露出の増加のために計画している彼女が、パラグライダーの事故で、北朝鮮に不時着してしまい、そこで出会った兵士リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と恋に落ちる。南北朝鮮を隔てる38度線を超えた二人の恋は実るのか?

よかったところ

エンタメ要素がてんこ盛りで、楽しい。

北朝鮮の兵士村の女性たちの絆

北朝鮮ってどんな暮らしをしてるのか、まったくイメージが湧きませんでしたが、それは多くの韓国人にとっても同様なのかもしれません。ユン・セリが初めに北朝鮮の村にたどり着いた時、その描写は子どもたちが軍隊行進のように歩いていたり、不気味なラジオ体操をして、停電ばかり……という非人間的な描き方から入り、徐々に、そこで暮らす人々の人間味や絆が見えてきてよかったです。シスターフッドを感じる瞬間もありました。

あとは、普通に平壌の富裕層であるソ・ダンちゃんのファッションなども興味深かったです。北朝鮮といっても、いろいろな人々が暮らしているんですよね。←あたりまえ。

まあ、ドラマとしては、色々つっこみどころも多いです。でも楽しめました。かっこよくてやさしいおぼっちゃんのリ・ジョンヒョクに、イケイケななかに孤独を抱えたユン・セリ。二人の美形スターの、北朝鮮と韓国での異なるスタイルが楽しめます。

次は韓国人の友達に進められた『賢い医師生活(ホスピタル・プレイリスト)』か『椿の花咲く頃』を見ようと思います。

『賢い医師生活』は医者の友人5人組の日常を描いたドラマえすが、群像劇なので、ちょっと登場人物が多すぎてついていけさそうです。『愛の不時着』でユン・セリがソウルでデートしてた相手のキム・ソニョンと、2番めのお兄さんを演じていたパク・ヒョンスが出てきました。やっぱり、跡取り問題とかが勃発するんですねー。

『椿の花咲く頃』は韓国のゴールデン・グローブとも言われる百想(ペク・サン)芸術大賞のドラマ部門で、『梨泰院クラス』や『愛の不時着』を押さえて受賞した作品です。ラブコメに連続殺人事件が絡んでるようで、なかなかおもしろそうです。『愛の不時着』で兵士村の人民班長役を演じたキム・ソニョンが、ここでも重要な脇役として出演しています。

ネトフリ『呪怨:呪いの家』期待外れの理由

呪怨 劇場版

※↑これではないです。

あ呪怨』のドラマ版がネトフリに登場していました。たまには日本作品も観るか!とうことで鑑賞。一話が30分ほどx6話でサクッと一気観しました。

結論としてはタイトルの通りなのですが、自分は苦手なタイプの作品です。

怖いと言うかエグい

本作は映画の呪怨の根本に迫ると言うサイドストーリー的な展開。ジワジワとした怖さに、謎解き要素もあり、いい感じなのですが、徐々に怖さというよりも、「人間の汚さ」の方がえぐすぎでうんざりしてきます。

一つの家を舞台に、時代を超えて行われる様々な陰惨な事件が描かれるのですが、全体的に女性が暴力の対象となりすぎ。

「実際この社会がそうなんだからしかたないだろ」と言われればそうかもしれませんが、現実に十分にうんざりしていて『ジェフリー・エプスタイン: 権力と背徳の億万長者」』や、『あるアスリートの告発』なども観ている立場としては、ホラー映画の中でまで、殺されたり、虐待されたり、レイプされる女性、わざわざ観たくないなあ……という感じです。(上の二作品についての感想はTwitterでつぶやきました。そのうちブログにまとめるかも?)

世界的なオーディエンスに通用するのだろうか?

『呪怨:呪いの家』は、実際の事件を多数引用しています。

  • 女子高生コンクリート詰め事件
  • 宮崎勤事件
  • 神戸連続児童殺傷事件
  • 地下鉄サリン事件

夢のなか―連続幼女殺害事件被告の告白

夢のなか―連続幼女殺害事件被告の告白

  • 作者:宮崎 勤
  • 発売日: 1998/12/01
  • メディア: 単行本

固有名詞こそ出していないものの、ニュース報道から「あの事件か!」と思わせる手法をとっているのですが、全て似たような演出、なおかつ、これらの時間が肝心の呪いに直関係しているわけではないので、段々「だから何?」という徒労感に襲われます。

日本の犯罪ニュースをあまり知らない海外のオーディエンスにとっては余計に「?」なのではないでしょうか。

はたしてシーズン2があるのか、あったとしてそこで何らかの救いがあるのか、ないのか。よくわかりませんが、続きが観たいとは、今のところあまり思えません。

リング

リング

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

らせん

らせん

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video