#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

「シャネル」になる前のココ

ココ・アヴァン・シャネル 特別版 [DVD]

この前、シャネルのショーとフェミニズムの記事を書きながら、そう言えば、彼女についてあまり知らないよなーと思ったので観てみた。

http://yuichikawa.blog.fc2.com/blog-entry-2444.html

シャネルについては、動きやすいシャネルスーツは画期的!とか、働く自立した女の先駆けであるとか、またナチスをめぐる論争はおぼろげに聞いたことがあったものの、彼女自身がどんな人なのかはあまり知らなかった。しかし、考えてみれば、今も男性優位なファッション業界においてシャネル帝国を築きあげたシャネルってすごいよね。←今更。

この映画は、シャネルが針子をしながら、ステージで歌っていた頃の話から、男を頼ってパリに行き、恋をし、パリに店を出して成功するまでの話を書いている。英語版のタイトルは『ココ・ビフォー・シャネル』ということで、まさに無名時代のシャネルをフィーチャーしてるわけ。

アメリのオードリー・トトゥが一筋縄ではいかない意志の強いキャラクターをうまく演じている。可愛いんだけど、決してフェミニンではないよね。むしろ、ブッチ!当時の女性の服装とは全然違うのね。しかも煙草吸いまくりだし。

シャネルってこんなキャラだったんだ!って意味では面白かった。けど、映画としては、物足りなかった。ココの一つの恋愛にフォーカスしてて(しかも大したドラマもなくすぐくっつく)ブランドを始めてから成長とか成功というのが、すご〜いサラッとしか触れられてなかったため。

シャネルが「シャネル」となってからのストーリーは既に語られ尽くしてるから…ということなのかもしれないが。それにしても、端折りすぎでは?

それでも、シャネルも、こーして、恋物語を中心に語られて「恋する一人の女」として定義されちゃうんだ……。まぁ、百歩譲ってこうして色恋からシャネルに迫るのもいいとしよう。しかし、シャネルは他にも色々な男たちと関係を持ちそれを利用しながら成功していったはず。そこらへんの諸々も描いた上で最後やっぱりボーイだったのねっていうならまだ面白いけど。ボーイとの関係がメインで書かれててあっという間に終わったのでスカスカでしたわ。

「わたしは誰の妻にもならない」

と宣言し、その通り独身を貫いたシャネルだったが、実際には彼女のそばには彼女に惚れ込んでいた男が沢山いたんだよね。そーゆー意味では「女一人で築きあげた」とは言わないのかなぁ〜とか。でも、こうして、人を魅了してお金を出させたりチャンスをつかむのもやっぱり実力のうちだよなぁーとか。色々考えさせられました。

あと、もちろんファッションとかは面白かった。シャネルの変わってくとことか、おー!シャネルスーツ出たー!ってとことか。オードリートトゥは、かなりシャネルになり切ってて、似てたと思う。てか、実際のシャネルが綺麗なんだよね。ふぅ。

ココ・シャネルの「ネットワーク」戦略 (祥伝社黄金文庫)

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ココ・シャネルという生き方 (新人物文庫 や 1-1)

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