#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

『採用基準』は外資コンサルに興味ない人も読むべき

採用基準

採用基準

表紙にも、裏表紙にも、全く答えが書いていないが、本を開けば一目瞭然。これは、「リーダーシップ」の重要性についての本だ。

「マッキンゼーでの採用基準が知りたい!」と就職のためのマニュアルとして読んだ人は失望するだろう。←こうゆう層にマーケティングしようとして、タイトルとか表紙を煽ったんだろうが。

実際には、外資コンサルファームに入りたい人以外にも役立つ内容!特に、仕事で必要とされるリーダーシップについて学びたい人にはとてもオススメ。

個人的に目からウロコだったのは、リーダーシップは成果主義だからこそ必要とされる概念だという点。成果主義が徹底しておらず、成果より和が重視される日本でリーダーシップが重視されてこなかったのには、それなりに合理的な理由があるのだ。しかし、そんな日本でも、国際化の場面や、危機の場合など、リーダーを必要とするため、そーゆー時にリーダーシップを取れる人が少なくて事なかれ主義の人ばかりだと問題なのだ。←福島の事故後の対応や、村おこし、ジェネリック薬の普及などを例に挙げて説明されている。

あとは、リーダーシップと、似た概念の違いを説明するところも興味深かった。リーダーシップは、ポジションや、マネージャー、コーディネーターとは違う。また、雑用係、世話役、そして、命令する人、とも違う。真のリーダーシップとは、「船頭多くして船山に登る」の船頭とは全くの別物なのだ!

また、著者はリーダーと言って想定されがちなカリスマ性のあるスーパースターとリーダーもまた違うということを強調する。カリスマ型リーダーは放っておいても一定数現れるものだが、後者は社会が育成しようと意識しないと出てこない。日本ではリーダーシップが必要なスキルであるという認識すらないので、それが社会のリーダー不足につながり、それが、日本政府や日本企業の弱さにつながっている、という。

リーダーシップはスキルであり、訓練により誰でも学べる。また、リーダーシップは、仕事ではもちろん、人生においても役にたつスキルだ。

最近の自分の問題意識にガチッとハマったせいか、非常に興味深く読めた。

日本-外国の対比だとか、マッキンゼー礼賛が気になる人も多いようだが、そーゆーのを無視しても充分ためになる。コンサルに興味ない人でもオススメである。