#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

【全文和訳】ブライアン・アダムスも!ミシシッピ州の反LGBT法に抗議するため公演中止

Get Up

ロック歌手ブライアン・アダムスがミシシッピ州で成立した反LGBT的な「宗教自由法」に抗議するため、予定されていたライブを中止しました。公式サイトにて発表された声明全文は以下のとおり。

「1523法を止めよう」

ミシシッピは反LGBT的な「宗教的自由」法1523号を可決した。ミシシッピ州でLGBTのs民が差別されているということが、私には理解できない。自分の良心にかんがみて、人々がその性的指向によって権利を否定されているような州で演奏することはできない。したがって、4月14日のミシシッピ・コースト・コロシアムでのライブを中止する。自分の声を使うことにより、私は、このとてつもなく差別的な法律を撤廃するために、全てのLGBTの友人たちと連帯のために立ち上がる。願わくば、ミシシッピ州が自ら過ちを正し、多くの全てのファンのために戻ってきて演奏できるとよいのだが。その日が来ることを楽しみにしている。#stop1523

引用元:http://www.bryanadams.com/

立ち上がるロックスター!

先日、ブルース・スプリングスティーンが、ノースカロライナ州でのライブを取りやめたことがニュースになったばかり。タイミング的に非常に似ていますが、ブライアン・アダムスが抗議しているのは「ミシシッピ州」です。こうしてまた新たなロックスターが声を上げてくれたことは、とてもうれしいし、力強いですね。

ミシシッピ州の法律はこんなものです。

yuichikawa.hatenablog.com

今、LGBTを差別する意図のある似たような法律が同時多発的に様々な州で提案されているんですよね。

yuichikawa.hatenablog.com

バックラッシュに対する反撃

ここで一つはっきりさせておきたいのは、様々な差別的な法律が話題になるからといって、「アメリカ終わった」わけではないし、「アメリカ全体が差別的な方向に向かっているというわけではもない」ということです。アメリカで宗教右派の勢力が強いのは事実ですが、政教分離という原則も強く信じられておりますし、一つの宗派によって乗っ取られているわけではありません。

最近話題になっているような、差別的な法律に対しては、他州からはっきりと批判の声が上がっていますし、保守派や宗教界からも「差別はよくない」とする声が出ています。実際ジョージア州では議会を可決した法律が知事によって拒否されました。また、成立した法律にも「違憲だ」として、早速州が訴えられています。大企業やセレブリティーたちも批判しており、今回もそうですが実際にイベントの取り消しやビジネスの投資決定が引き上げられるなど州に実損害が出る形で、差別のコストは発生しています。

yuichikawa.hatenablog.com

yuichikawa.hatenablog.com

同性婚が認められた後、さまざまな形でバックラッシュが出ているのは事実ですが、皆が皆それに流されているわけではありません。バックラッシュに対しては今、あらゆる方向から全力で反撃がなされているんです。今回、ブライアン・アダムスが立ち上がってくれたのも、その一つの現れです。きっとこれらの差別的な法律は崩されていくだろうと信じています。

これまでも、「変わる」と信じて、変えようとしてきた無数の先人たちの努力があって、実際ここまで「変わってきた」んです。だから、それを今ここで止めるわけにはいきません。まだまだ全てが解決したわけじゃないんだし「終わり」からは程遠い。平等と社会的公正は、毎日の暮らしのなかでわたしたちが求め続けることによって、はじめて可能になるのです。

yuichikawa.hatenablog.com