Facebookからニュースが消えるって話題ですね。
この変更は、フェイクニュースとか、いろいろ騒がれたのと、Facebookのフィードが「企業っぽく」なりすぎて、ユーザーが離れ始めている……というのが影響してそうですね。そこで、ニュースや広告よりも、Facebookが本来目指していたユーザー同士のつながりやコミュニケーションを促進してくれるような感じに表示のアルゴリズムを変えようとしているわけです。要は「友達の結婚式とか赤ちゃんの写真」がこれまで以上に表示されることになるのです。うへえ。
Facebookの決定への疑問
しかし、このFacebookの決定、個人的には色々疑問が残ります。
疑問1:友達同士の交流ってもう既にFacebookでやられてないのでは? Facebookの生き残る道はそこなの?
友達の投稿って、Facebook上でそんなに見たいものでしょうか?(爆)これは人によるでしょうけど、むしろ、「Facebookで、人のプライベートのな投稿を観すぎると鬱になる」という気持ちがわたしはよくわかる。本当に近況を見ても苦にならないような仲のよい友達の投稿はInstagramとかLINEに移動しています。
そもそも、仕事関係の人とか、別に仲良くない人を足してしまってる状態で、もはや、少しカジュアルなLinkedInみたいな存在になりつつあるわけで。LinkedIn=就職活動。Facebook=普段のネットワーキング。くらいな感じの立ち位置です。
そんな自分の中でのFacebookの立ち位置(結構ビジネスユースになりつつある)からすると、ニュースが見れなくなるというのは、ちょっとズレている印象でした。
疑問2:エコー・チャンバー化が進むのでは?
「エコー・チェンバー」とは、情報やアイデアや信念などが、閉じたシステムの内部でコミュニケーションされ、反復されることで、増幅、強化される状況。同じ意見の人だけが話し合っているうちにそれが正しいことだとみんなが信じてしまうことです。
既に今のFacebookでも、「似た者同士」がフィードを通じて意見交換をすることで、元々持っていた考えが強化される危険性が指摘されています。それを避けるために「あえて」自分とは違う考えのニュースソースをフォローしたりしている人もいると思うし、実際わたしはあえて「同性婚反対」の団体のニュースや「極右ニュースサイト」と呼ばれるニュースを購読しています。
しかし、今回の仕様変更で、「友達」の投稿ばかりになると、似た考えばかりがフィードに溢れる状況に逆戻りし、エコー・チャンバーに拍車がかかるのではないでしょうか?
BuzzFeedの素早い反応
さて、このように疑問符ばかりのFacebookの決定に対し、素早く対応したのがBuzzFeed。「Facebookはニュースを締め出すけれど、うちのアプリで読んでください」と、自社アプリの広告に使っています。うまい。
BuzzFeedは、いわゆる「バイラルメディア」が出てきた時に、いち早く、自社での調査報道や、お笑いネタ、クイズネタなど、質の高いコンテンツを作り出して、他の「パクリメディア」とは違う立ち位置を確立しました。NetflixやAmazonなども「自社プラットフォームでしか見られない独自コンテンツ」に力を入れていくなか、おそらくFacebookにとっては、「友達の投稿」が独自コンテンツということなんでしょうね。
今後色々と見ものです。
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