オバマ大統領が軍隊におけるDADT(Don't Ask, Don't Tell)ポリシーを撤廃する法律に署名してから12月22日で5年が経ちました。DADTは、1993年、ビル・クリントン大統領政権時代に成立した法律で、軍隊におけるオープンリーゲイの勤務を禁じたものでした。「聞くな、言うな政策」というその名の通り、セクシャリティーについては、聞いてもいけないし、言ってもいけないというものです。「クローゼットである限り『平等』に扱う」というこの法律は、多くの同性愛者をクローゼットに押し込めるものであり、差別的であると批判を浴びてきました。 https://www.pinknews.co.uk/2015/12/22/dont-ask-dont-tell-was-repealed-five-years-ago-today/
DADTに違反したとして、1万4000人もの人々が軍隊を解雇されたと言われています。
わたしも過去にはこんな記事↑を書いてるのですが、その後にオバマ大統領は、ようやくDADTを撤廃しました。あれから5年か……早いな。
過去の話題ではない「DADT」
しかしこのDADT、実は今も「完全に過去の話題」ではありません。
今2016年の大統領選挙でもちきりのアメリカですが、まず民主党候補のヒラリー・クリントンは、DOMAと並び、夫であるビル・クリントンが署名した差別的なこの法律を「もっと悪い事態になるのを避けるためだった」と擁護することに腐心しており、その姿勢が批判されています。
更に、共和党候補である、テッド・クルーズとベン・カーソンは、一度は撤廃されたこのDADTの復活を目論んでいるのです。
さらに、「LGBT」はオープンに軍隊で勤務することを認められましたが、トランスジェンダーは依然として、軍隊のなかで禁止されています。軍隊にトランスジェンダーがいないわけではなく、元ネイビー・シールズのトランス女性などもいるのですが、軍隊にいる間はオープンな以降ができないのです。
平等をめぐる戦いはまだまだ終わっていないのだと改めて感じました。