#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

ドナルド・トランプが過去の女性蔑視発言を批判されて開き直り!

photo by Gage Skidmore

2016年の大統領選挙に向けて準備が行われているアメリカ。現在は、民主党・共和党それぞれのなかで「党の公認候補」として指名争いの段階です。8月6日には共和党の討論会がありました。

そこで、候補者のひとり、ドナルド・トランプが、過去の女性蔑視的な発言を指摘され、開き直るという一幕が注目を集めました。動画はこちら↓でご覧になれます(英語)。

ドナルド・トランプとは

不動産王として知られる大富豪。ニューヨークの「トランプタワー」を始めとする大規模な不動産開発で成功したことで知られる。テレビ番組に出演したり、メディアでも目立つ発言をすることで有名です。前回の大統領選にも出馬しています。

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討論会では、司会者のメーガン・ケリーが、「大統領の資質」の点で 彼が過去にした女性への蔑視発言が問題視しました。

メーガン・ケリー「ミスター・トランプ。あなたは政治的なフィルターを通さずに心にあることを発言するために、愛されていますね。しかし、女性に関することについては、これが欠点となっています。過去にあなたは自分の好まない女性について『太った豚』『犬』『デブブス』『気持ち悪い動物』などの発言をしています」

トランプ「ロージー・オドネルについてだけですよ!」

ロージー・オドネルは、アメリカの人気女性コメディアンで、レズビアンであることを公表しています。「ブス」や「豚」などの暴言は、レズビアンのお笑い芸人に対してのものだったら「笑い」としてネタにできるものだと思ってるのでしょうか?めちゃくちゃ失礼ですよ。

ロージー・オドネル自身、コメディアンとしてこういうのを「おいしいいじられ」とか思ってるわけではまったくなく、この発言を受けて「自分の子どもにそれ説明してみな」とツイッターでつぶやいています。

ここで観客が笑っていたこと自体わたしはムカついたんですが、司会のメーガン・ケリーは追求の手をゆるめませんでした*1。グッジョブ!!

メーガン・ケリー「いいえ、ロージー・オドネル以外についてもです。あなたはツイッター上で女性の外見を見くびったような発言をしています。一度は(トランプが出演するテレビ番組)『アプレンティス』のコンテスト出場者に対して『彼女が跪いている様子はさぞ綺麗だろう』と発言しています*2。あなたからみてこういう発言をする男性というのは、大統領としてふさわしい人物だと思えますか?」

トランプ「アメリカが今抱えている大きな問題の一つは『ポリティカル・コレクトネス*3』だ。わたしはポリティカル・コレクトネスに気を使っている時間はないし、この国にもそんな余裕はない!この国は大きな問題を抱えていて、中国にもメキシコにも負けているんだ」

出たーっ!秘技、矮小化&論点ずらし!

結局この後も、トランプは、「自分は言いたいことを言う!」と開きなおり、一度も謝ったり、「自分は女性の権利を気にかけている」的なフォローはしませんでした。

討論会の後も、ドナルド・トランプは、ずーっとメーガン・ケリーのことを根に持っていて、ツイッターでも、 「メーガン・ケリーはプロフェッショナルでなくて、よくなかった」とうじうじ発言&フォロワーの意見のリツイートしまくり。

政治家ってゆーか、子供みたい!

ポリティカル・コレクトネスはいつも「些細な問題」にされてしまうことが多いのですが、しかし、ここで問題になっているのは、彼の女性に対する見方という本質的な問題であり、決して言葉尻を捉えた「言葉狩り」がなされているわけではありません。

政治的にひどいだけでなく、品もないドナルド・トランプなのですが、共和党候補者のなかでなぜか人気が高いのです。

まさか本当に指名されたりして!それなら、おそらく民主党の候補者になるであろうヒラリーの勝ち目が高まるのでよいですが、そんなレベルの低い大統領選ってのも、悲しいですね。

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*1:メーガン・ケリーは保守的な論調で知られるフォックスニュースのキャスタですが、彼女自身は共和党支持ではなく「独立派」だそう

*2:ちょっとわかりづらいんですが、要は性的に奉仕してほしい的なことを暗喩している

*3:政治的な正しさ・人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いることにより、偏見や差別を広めないようにしようという考え方のこと