今日、アメリカでは父の日だ。
父の日に、辛い人がいる。父親の顔を知らない人や、父親に会ってない、会いたくないって人。母の日もそう。母親になれなかった人、子供を亡くした人、母親と辛い関係を築いてる人がわたしの周りには結構いる。
「家族が大事!」と無邪気に言える人々の周りには、ひっそりと辛さを抱えてる人がいるのだ。そして、その辛さは、なかなか共有されづらい。
そんな時、幸せな家族像を見せつけて、「やっぱり家族はいいものよぉ〜」「親になればわかるよ」的なメッセージってのは、逆効果。辛くなるだけなんだよね、そーゆーの。
わたしも幸せな家族のちょっといい話はどこか遠い国の話に感じてしまう。壊れ気味の家族の話を聞く方が楽になる。一見壮絶な話でも、自分にとってはむしろ癒しなのだ。「家族が辛くてもいい」「家族と仲良くなくてもいい」んだ。って。いや、それで「いい」のかどうかはわかんないけど、こーゆーの「あり」なんだ、存在するんだってね。存在することを知るだけで、救われる。
自分と人を比べたり、誰か辛い境遇を見て自分を慰めているわけではなくて(そう思いたい)。なんだろう。孤独が安らぐというのかな。ゲイの人が自分のセクシュアリティに気づきはじめすごい孤独を感じるけど、他にもそーゆー人がいるんだ!ってわかるとすごい開放されて、救われる感じになるのと似てるかも。
「家族がいなくても生きていける」って、家族命の人には「はぁ?」と思われるかもしれないが、特定の人にとってはすごい強いメッセージなんだよね。
「頑張ろうよ!」「生きていこうよ!」系のポジティブなメッセージでは確かにないんだけど。一見ネガティブなメッセージの方が、力を与えてくれる場合があると思う。
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↑最近親との関係について語り合った学生時代からの友達Mottyに勧められた作品。可愛い絵柄だが、ジワジワくる。わかりやすい虐待でない分、どう受け止めればいいのかわかんない子供の心境だかど、確実に傷ついてんだよね。「まる子に水飲ませるお母さん」にも近い不気味さがある。
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↑安易な同一視や共感を拒む作品だが、精神的に辛い時、気づくと本棚から取り出してむさぼるように読んでしまう。というのはこれは自分にとっては必要な作品なんだろうなー。
↑辛いところの描写からはじまって「救われるまで」の過程が描かれているウェブ漫画。いろんな人と出会って、あれ?大丈夫かも?と思ったり、過去の記憶に引き戻されそうになったり、そこらへん含めてハラハラ。