ニューハンプシャー州の予備選挙で、バーニー・サンダースが勝利。この選挙の開票速報で、MSNBCのキャスターレイチェル・マドーが、マイノリティーとして常にメインストリームの政治から排除されてきたと感じてきたとコメントしています(参考記事)。
面白いのは、彼女がマイノリティーだと感じた理由が、ゲイだからだけでなく、「リベラルだから」という点です。
ビル・クリントンが大統領に立候補した92年、対立候補のパット・ブキャナンは、ゲイを攻撃していました。しかし、ビルクリントンはそれに対して、反論することなく「レーガンには賛成だ」とか、「政府が問題だ」とか言って、全然味方をしてくれる感じがしなかった……マドーは当時19歳だった時の記憶を辿って語ります。
「メディアは皆リベラルだとか言うけど、と違う。本当にリベラルなら、長い間、この国のメインストリームの政治が、と自分には関係ないと感じている。政治は、あなたについてのことではないのだ」
「リベラルであるということは、この国では少数派だということであり、それをいつでも意識せざるをえない」
このコメント、ぶっちゃけ驚きました。レイチェル・マドーは一応、リベラルよりのテレビ局でニュースを担当してますが、決してプログレッシブでもなく白人エリートな彼女のことを、勝手にヒラリー支持者っぽいと思いこんでいたので。でも彼女は彼女なりにリベラルとしてマイノリティーであることを感じてきてたんですねー。
しかし、バーニー・サンダースが今回の選挙に出馬し、このように善戦していることで、多くの若者は、サンダースの支持者であるかないかにかかわらず、「政治が自分たちのものだ」と感じているのではないかということです。確かに、「社会主義者」のバーニー・サンダースがここまで善戦している理由は何なのか?
エスタブリッシュメント嫌いだとか、非現実という点ではトランプと変わらないなどと、サンダースや支持者を揶揄するような声もありますが、ここまでリベラルの支持を集めていることを、クリントン陣営は重く受け止めてほしいですね。
確かにクリントンが、サンダースのような構わない外見で出てきたり、トランプのように喚いたりすることを許される特権を持っていないのは事実だし、ヒラリー・クリントンに対する女性蔑視的な言い分は絶対許せませんよ。でも、ものすごくヒラリーを応援したいはずのわたしも、どうしてもクリントンを素直に応援できないんですよね。
民主党、そしてクリントン陣営は、なぜ自分たちの支持基盤であるマイノリティーや中間層の多くがなぜ社会主義者に流れているのか真剣に考えるべきだと思います。