皆さん、こんにちは!
今手話にハマっているイチカワです。
手話にハマったきっかけは、先週末訪れたクレクサコン(こちらのレポートは改めてします!)でのことでした。クレクサコンには多くのファンアートやグッズを売っているブースが出ており、わたしはそこを一つずつチェックしていました。気になる作品があると「あなたが描いたの?」とか「この本は何についてのもの?」とか会話を交わしながら。
その一つのブースで「アメリカ手話(American Sign Language)」の簡単なイントロリーフレットが置いてあったのです。
ちょっと気になって手に取ると、そこにいた女の子が笑顔で「どうぞ持っていって」と言うような仕草をしてくれました。わたしは「ありがとう」と手話で…返すことができればよかったのですが、残念ながらすぐにはできず、曖昧な笑顔のままでこのリーフレットを持ち帰ってきました。リーフレットには、アルファベットの指文字や、LGBT系の用語に加え「クレジットカード」や「買う」などの、お買い物系の単語がカバーされていました。そのブースにいた彼女は、恐らく耳が不自由で、そのやりとりのために、このリーフレットを置いていたのでしょう。
わたしはそれまで身近にろう者の友達がいたことがなく、イベントなどでの手話通訳や、ろう者の人がグループで会話しているのを遠くから見かけたり、あとは、エンターテイメントの中に出てくるろう者の姿をみたことくらいしかありませんでした。でもクレクサコンのブースで見かけた彼女にどうしても「ありがとう」とわたしは言いたかったんです。
というわけで、アメリカ手話について調べました。
「英語の手話」はない
英語の手話だよ!クィア用語の使い方もある。かんたんな挨拶とかは手話でできるようになりたいなー#クレクサコン pic.twitter.com/rrcGVxtCIz
— イチカワ🌔ClexaCon (@yu_ichikawa) April 14, 2019
はじめは、ツイッターでもこんなふうに表現してしまったのですが、これは間違いでした。すぐに多くの方からご指摘をもらいました。ありがとうございます。
これは、アメリカ手話(ASL:American Sign Language)で、そもそも英語とは異なる言語です。a、theなどの冠詞やbe動詞などもありませんし、語順も文法も異なります。また、同じ英語圏でもイギリスではBSL(British Sign Language))などが使われているそうです。なのでそもそも「英語の手話」というのはおかしかったんですね。※一応、語順を英語に合わせたSSE(Sign Supported English)という手話もあるようです。日本語でも、日本手話と日本語の文法や語順に手話単語を当てはめた日本語対応手話というのがあるそうなので、それと似てるのでしょうか?
アメリカ手話の基本を学べるおすすめ動画
そんな感じでとりあえずは、アメリカ手話の基本を勉強しようと思い、様々なYouTubeを見ています。
ASLアルファベットが学べる動画
↑これ、めちゃくちゃゆっくりかつ何回もやってくれるので、この動画何回か見るだけで覚えられると思います!
ASL基本の表現が学べる動画
わたしはこのアシュリーさん、気に入りました!手話がめちゃくちゃスムーズでかっこいい。彼女は生まれつきろう者で、両親と二人の姉は聴者なのですが、全員ASLがペラペラです。家族が登場する動画もありすごく仲良さそうでよいなと思いました。特に、アシュリーが、姉のキンバリーとリンジーに、「耳の聞こえない妹と一緒に育つってどんな感じだった?」とインタビューする動画が面白かったです。
「デフカルチャー」と文化の盗用
さて、そんな感じでアメリカ手話動画を観まくっていたところ、あることに気づきました。それは「聴者によるASL講義が結構多い」こと。結構趣味でアメリカ手話を学んでいる人が多いし、中には「まだ言葉が話せない赤ちゃんに手話を教えて意思疎通をしよう!」みたいな幼児教育の一貫としてのASLみたいなアプローチもありました。で、そういう人の動画は意外と、全然字幕がなかったりとかするんですよ…。そういうのに対し、「聴者がASLを教えるのは『文化の盗用』だ」というような意見もありました。特に、コミュニティ・カレッジで、聴者がASLの講師として採用される場合、本来そのポジションはろう者の方に行くべきものではなかったのか?聴者は手話というデフカルチャーを簒奪する、いわゆる「文化の盗用」問題が起こっているのではないか、という話です。←ハリウッドにおけるピンクウォッシングとかホワイトウォッシングみたいな問題とパラレルですね。中にはろう者のYouTuberが「自分はASLを教えるためにこんなに多くのライセンスを取ったのに、ちょっと習っただけの聴者が『教えて』いるのはケシカラン。この人の動画には低評価をしてほしい」なんて手話で訴えている動画があったり……。
わたしは自身は聴者コミュニティのなかに手話がより広まることは、究極的によいことではないかと思っているのですが、結局自分自身も、結局は非当事者で、(女の子に話しかけたいという以外の)差し迫った必要性もないのに、言ったら興味本位で手話をかじろうとしているわけで、文化の簒奪などの批判って他人事ではありません(汗)普段、ストレートの「アライ」による、クィアカルチャーの簒奪に対して敏感に批判しているのですから、なおのことです。
なので、ささやかなのですが、今後はASLの動画はデフ・コミュニティの方が解説してるやつを視聴しようと思っています。上に出てくるアシュリーのSigned with Heartはおすすめです!わたしは飽きっぽいので、いつまでASL熱が続くかわかりませんが、とりあえず、来年のクレクサコンで彼女に会ったら、ASLで挨拶するのが目標です!!
- 作者: 土谷道子
- 出版社/メーカー: 福村出版
- 発売日: 2009/10/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
使えるアメリカ手話 会話編―インターナショナルなあたたかい交流をささえる
- 作者: エドガー・D.ローレンス,Edgar D. Lorence,松島博
- 出版社/メーカー: リヨン社
- 発売日: 2000/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
アメリカ手話で世界が広がった!―歌える手話ガイド付エッセイ集
- 作者: 高村真理子
- 出版社/メーカー: 日貿出版社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る