英語で come out to myselfという言い回しがある。
文字通り読むと、「自分自身にカムアウトする」なのだが、噛み砕くと「自分のセクシャリティに気づく」「自分のセクシャリティを認める・自覚する」という意味で使われる。カタカナの「カムアウト/カミングアウト」には「秘密を告白!」的なイメージがすごく強いんだけど、そういうのとはちょっとニュアンスが違うんだよね。「クローゼット(棚)」から出てくるとか、出て行くとか、そういうイメージでも掴みづらい。だから「come out to myself」というフレーズはclosetという単語とはあまり一緒に使われない気がする。単に「自分へのカムアウト」なんだよね。
「自分がゲイと自覚する前の自分はゲイだったのか」というのをよく考える。わたしにとって、この問題への答えは、イエスであり、ノーでもある。
生まれた時から、セクシャリティはだいたい決まっていたように思うので、その意味ではイエス。でも、「自分はゲイ(バイセクシャル)なんだ!」と自覚していない時の自分に対して「ゲイ(バイセクシャル)」とレッテルを張るのは、違和感がある。客観的に同性とばかり恋愛や性行動を取っていても、ゲイの自覚がない人もいるしね。そういう人に対して「ゲイ」と言ってしまうのは、何か違う気がするのよね。だから自分自身のことも、そう。いろいろよくわからないままに模索していた頃の自分を「ゲイ」とは呼べない。
そういう意味で、「come out to myself」つまり、「自分へのカムアウト」は、自分がどういう人間なのかを理解し、受け入れて、自分らしい人生を生きていくために必要な第一歩なのだと思う。
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↑親にカムアウトした後に送りました。