わたしは、まだまだ世の中に広く出回っていない製品や、形になっていないプロジェクトについて見るのが好きなので、よくクラウドファンディングを利用します。物を買うように使える物販型、舞台や映画などの支援ができるファン型、まるで株式投資のように、小さな会社に投資ができる投資型、被災地を支援したり、社会運動のために使える寄付型……。様々なタイプがあるクラウドファンディングについて、比較してまとめてみました。後半には海外のクラウドファンディングもまとめてます。
- 日本の主要なクラウドファンディングサイト
- 海外で人気のクラウドファンディングサイト比較と特徴まとめ
- まとめ:「お金がないからできない」をなくす、クラウドファンディング
日本の主要なクラウドファンディングサイト
これ以外にもまだまだあるとは思うのですが、ある程度知名度や資金調達実績があるクラウドファンディングサービスに絞って紹介します。
日本のクラウドファンディングの草分け「READYFOR?」
READYFOR?の設立年
2011年
READYFOR?の特徴
READYFOR?は日本初のクラウドファンディングサービスとして設立されました。その為、高い実績と知名度があるようです。
READYFOR?の手数料
目標金額を達成した場合のみ、最終金額の17%(キャンペーンからの申し込みは15%)
目標金額をしなかった場合:無料
急成長中!CA系列の「Makuake」
Makuakeの設立年
2013年
Makuakeの特徴
サイバーエージェント傘下のクラウドファンディングサービス。クラウドファンディングサービスのなかでは、後発に位置するものの、Ameba関係のネットワークを活かして急成長中の勢いを感じるサービス。物販系に強そう。
Makuakeの手数料
募集期間内に目標金額に達成した場合:サポーターから支払われた合計金額の20%(クレジットカード決済手数料含む)。
目標金額を達成しなかった場合:無料
Makuakeのプロジェクト平均調達額
106万円
家入一真が仕掛ける「CAMPFIRE」
CAMPFIREの設立年
2011年
CAMPFIREの特徴
プロジェクト掲載数が多く、なお手数料が低いのが特徴。また地域活性化に特化した「CAMPFIRE x LOCAL」、アパレルの「CLOSS」、チャリティー系の「GoodMorning」などのカテゴリに特化したサブブランドがあったり、プロジェクト成功のためのノウハウを伝えるセミナーサイト「CAMPFIRE Academy」が用意されていたりと、コンテンツが充実している。
CAMPFIREの手数料
支援総額の8%(+決済手数料)
目標金額を設定して「オールオアナッシング」型を選んだ場合は、目標未達成の場合、手数料は無料。
地域密着型の「FAAVO」
FAAVOの設立年
2015年
FAAVOの特徴
Faavoは地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングネットワークであり、すべてのプロジェクトが「地域」をキーワードにしています。
FAAVOの手数料
集まった支援総額の10-20%(展開エリアによって異なる)
クリエーティブ系の「MotionGallery」
MotionGalleryの設立年
2011年
MotionGalleryの特徴
「人間は誰でも芸術家である。」というビジョンのもと、映画・アニメ・アートなどの、プロダクション系のプロジェクトに強い印象です。
MotionGalleryの手数料
掲載無料。支援総額の10%
ツタヤ系列「GREEN FUNDING」
GREEN FUNDINGの設立年
2011年
GREEN FUNDINGの特徴
CCC(ツタヤ)グループが運営するクラウドファンディングサイト。
実店舗やTポイントなど、CCCグループのアセットを利用してマーケティング全体の支援が受けられることと、他社のサービスと比べ平均調達額が高いことが特徴。グリーンファンディングという名前だけど、別に環境系に特化しているとかそういうことはなかった。
GREEN FUNDINGの手数料
目標金額を達成した場合、支援総額の20%(クレジットカード決済会社への手数料含む)
GREEN FUNDINGのプロジェクト平均調達額
178万円
プロダクション系に強そう?「ShootingStar」
ShootingStarの設立
2012年
ShootingStarの特徴
「propelling star ideas -きらめくアイデアをカタチに-」という思いにもとづき、運営。 芸能・イベント・政治系に強そうなイメージ。
ShootingStarの手数料
目標達成時、総額20%(シューティングスター利用料15%+決済手数料5%)。
達成できなかった時:無料
朝日新聞が運営する「A-port(エーポート)」
朝日新聞社が運営するクラウドファンディング【A-port(エーポート)】
A-port(エーポート)の設立年
2016年
A-port(エーポート)の特色
朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト。新聞社として培ってきた情報発信力が強みのよう。割と硬派なプロジェクトが多いのかと思いきや、SMAP応援とかそういうのもある。
A-port(エーポート)の手数料
達成時実行型(All or Nothing型)オールオアナッシング型(目標に達しなければ貰えない)と、実行確約型(=オールイン(集まった金額だけ貰える)がある。
「達成時実行型」は20% (決済代行手数料含む)。「実行確約型」の場合、最終的な調達金額の合計が目標金額を下回る場合における手数料率は35%(決済代行手数料含む)。
海外で人気のクラウドファンディングサイト比較と特徴まとめ
海外(というか主にアメリカ)で人気のクラウドファンディング情報もまとめてみました。海外のクラウドファンディングでバズったものが、その後日本のクラウドファンディングに回ってくることも多いので、海外サイトを見ているとトレンドの先読みになるかも。参考になれば幸いです。
王道はこれ!クリエーティブで質の高い「Kickstarter」
Kickstarterの設立年
2009年
Kickstarterの特徴
クラウドファンディングの概念を一気に広めた人気サイト。割と厳し目の審査があり、クリエーティブなプロジェクトしか承認されないので、比較的質が高いプロジェクトが多い。アーティスト、映画関係者、音楽家、デザイナー、発明家などにおすすめ。
Kickstarterの手数料
オールオアナッシング型。
目標金額に達成した場合、5% (失敗した場合無料)
懐が深い!「Indiegogo」
Indiegogoの設立年
2008年
Indiegogoの特徴
厳選したプロジェクトしか掲載しないKickstarterと比べ、なんでもありでフレキシブルなのがIndiegogoの特徴。物販系のサポートは充実しているし、ノンプロフィットや社会運動系のキャンペーンも多い。アダルト系以外はほぼ承認されるので、変なキャンペーンも沢山やっているが、なかなか面白い。わたしが昔参加した「ギリシャを救え」キャンペーンとかもIndiegogoでした。
Kickstarterでキャンペーンを終えた後に、Indiegogoに移動してキャンペーンを続ける企業も多いです。ただし、バッカー(支援者)としてはKickstarter上の方が「美味しいディール」であることがほとんどなので、(Kickstarterで逃したので、Indiegogoで支援するか)っていう感じが多いです。
Indiegogoの手数料
プラットフォーム使用料5%とサードパーティクレジットカード手数料(3%+30c) ただし、チャリティーやノンプロフィット向けのプラン「Generosity by Indiegogo」では、プラットフォーム使用料は無料。
個人的に使える「GoFundMe」
GoFundMeの設立年
2010年
GoFundMeの特徴
「火事にあったXXさんを助けよう!」とかそういうのが多い。入院代や手術費などや、学費、スポーツチームの応援など、かなり個人的なプロジェクトが多い。プラットフォーム側からの集客はほとんど見込めないので、自分自身の拡散力が物を言う。
GoFundMeの手数料
7.9% + $0.30(5%(プラットフォーム使用料 2.9%+ $0.30決済手数料)
寄付系に強い「RAZOO」
RAZOOの設立年
2006年
RAZOOの特徴
チャリティーやノンプロフィットに特化したクラウドファンディングプラットフォーム。個人的な資金集めもOK。
RAZOOの手数料
チャリティー系6.9% + 30¢(プラットフォーム使用料4%+2.9% + 30¢クレジットカード決済手数料)
個人系7.9% + 30¢(プラットフォーム使用料5%+2.9% + 30¢クレジットカード決済手数料)
プロジェクト平均調達額
9237ドル
個人的に使える「CrowdRise」
誕生日、マラソン、結婚式など、チャリティー系から個人系までさまざまな資金集めが出来るクラウドファンディングサイト。どちらかというとGoFundMeと似ている。
投資型「Crowdfunder」
(投資型)ベンチャーキャピタル型のクラウドファンディング。これも投資タイプ。
投資型「FUNDIFY」
(投資型)投資家とスタートアップをつなぐプラットフォーム。両方にとって手数料無料という謎のビジネスモデル。
これまた投資型「Microventures」
Microventuresの設立年
2010年
Microventuresの特徴
スタートアップとエンジェル投資家をつなぐクラウドファンディング。スタート企業やスモールビジネスに100ドルからの「ミニミニ投資」が出来る。グッズやアイデアだけではなく、「ビジネスそのもの」が投資の対象になっている。また、適格投資家ではない一般投資家にもスタートアップ企業への小規模な投資が可能になっている。テック系企業、不動産、メディア・エンタメ系など多くの業界から参加している。
Microventuresのプロジェクト平均調達額
$150,000
LGBT系に特化した「PinkStart」
Pinkstart: The LGBT Crowdfunding Website | Free Fundraising
PinkStartの設立年
2017年
PinkStartの特徴
PinkStartはLGBT系クラウドファンディングです。LGBT系のノンプロフィットであれば、手数料無料で利用できます。まだ新しいためか、プロジェクトの数や出資金額も小さいですが、グローバルに展開しており「ブルガリアのプライドイベントを応援して!」とか「イリノイ州の真ん中に、クィアフレンドリーな保健所をオープンしたい」とか「ベトナムのLGBTにインタビューをした本を出したい」とか興味深いプロジェクトが沢山あがっています。応援したいっ!
PinkStartの手数料
その他の場合、オールオアナッシング型1.9%、オールイン型2.9%
まとめ:「お金がないからできない」をなくす、クラウドファンディング
物販型・ファン型・チャリティー寄付型・投資型がバランスよくあるアメリカのクラウドファンディングと比べ、日本のクラウドファンディングは、ガジェットや小物などのプロモーションを行う「物販型」「ファン型」と、地域に特化した「村おこし型」に集中しているのが印象的でした。
おそらく、村おこし型タイプは補助金が貰いやすいとか、「投資型」には出資法が絡んでくるとか、そういう大人の事情があるのかもしれません。
しかし、クラウドファンディングサイトには、いろいろな夢やアイデアが詰まっていて、眺めているだけでワクワクします。こういうのを見てると、つくづく痛感します。「お金がないからできない」なんて、言い訳にすぎないのだと。もしも、あなたが素晴らしいアイデアと、やる気と、それを実行するやる気と能力を持っているのなら、お金は皆から集めればいいのです!出資するのも楽しいし、プロジェクトを立ち上げるのも楽しいクラウドファンディング。これからもっともっと広まってほしいです。
※情報は、不正確な可能性があります。必ず、最新の情報を確認してから利用してください!