油で炒めたり揚げることでベーコン味になる!ケールに続くヘルシーなスーパーフードになるか?と話題になっているダルス(Dulse: 学名Palmaria palmat)を食べてみました。
日本語でもダルスの記事は結構出てますが、実食レポートは珍しいのでは?
ダルスとは
ダルスは新しいようでいて、実は昔からある食材。北欧では昔から食べられていて、アメリカではアワビの養殖のための餌として使われていたそうです。
その途中で、実はこれ、そのまま食べてもいけるんじゃない?揚げるとベーコン味しない?ということで人間向けの新しいレシピ開発などの注目が集まってます。
ダルスの料理方法
早速Amazonで買ったダルスを食べてみました。
オリジナルと、アップルスモーク味をセレクト。これはベーコンによくある味つけでもあるので、期待が高まります。
ダルスの準備の仕方。 普通に炒めたり、スープやサラダにいれたりいろいろな食べ方できるみたいね。
乾いたダルスを観察。色はかすかに赤いような赤紫。普通に海藻〜って感じ。潮の香りがプンプンします。
ダルスを洗う。水に濡れると赤味が増します。よく、海水浴場に浮いてるアレに似ています。
この段階でダルスを一口食べてみる。うん。なんだろ。結構旨味成分が凝縮されている感じ。まずくはない。ワカメというよりは昆布っぽい?でも肉に弾力がなく、薄いので、雑に触っていると、ちぎれてしまう感じなのが残念。海苔状に加工したりするのに向いているのかも?
水気を拭き取ったダルスを油を引いたフライパンで炒める。
ちょっと緑っぽくかりっとしたら完成。黒くなったら焦げてしまっているそうですが、わたしの見たところでは、火が通ると赤っぽかったダルスが白っぽくなるように感じました。
さぁて、食べてみるよー。
…
……
…………。
べ、ベーコンの味……かなぁ?
もう一度食べてみよ。
もぐもぐもぐもぐ。
卵の白身と一緒にベーコンエッグ風。まずそうな盛りつけですみません。汗。
うーん。
ベーコン味…ではないのだが、言いたいことはわかる。油っこく塩気が強い…のに加え、なんとゆーか、普通のワカメではないコクがある…ような気がしました。あと、どことなくケールっぽい苦味がある。
その後、いろいろ試したところ、ダルスを乾いたままより大量の油でカリッと揚げて、卵やチーズとともにサンドイッチに入れると、一番ベーコンっぽく味わえました。洗った場合もよく拭いてカリッと揚げるのがコツみたい。
素揚げして、そのままダルスチップスとして食べるのも美味しいです!もともとが塩辛いので、味つけなしで楽しめます。スモークされているのとそうでないのでは違いをそんなに感じませんでした。
最終的な感想としては、わたしは普通に昆布とか海藻が好きなので、ぶっちゃけ、別にダルスじゃなくてもいいかな?って感じ。ほら、都こんぶとか、韓国海苔とか味つけ海苔あるしー?
ダルスはこのまま採れたての姿の食材として売るより、加工食品の原料として普及していくんじゃないかなー?と思いました。もう少し味つけをした上で、ディップソースとか、ベジタリアンベーコンとか。
豆腐も、はじめは白い豆腐そのまま食べるようにはアメリカで人気なかったけど、「肉の代用品」や「シェイクの基材」としての食べ方が発明されたためにガンガン売れるようになった。
「ベーコン味」の理由
さて、なぜ別にそこまでベーコン味でもないダルスがベーコン味の海藻として騒がれているのか?それには、アメリカ人のヘルシー指向+海藻嫌い+ベーコン愛が絡んでいる。
もともと肥満で有名なアメリカ人だが、都市部のアメリカ人はヘルシー指向が強くオーガニックのケールを食べたり、ヨガをしたり、なんちゃらフリーの食事をしたりして頑張っている。
最近ではアジア料理がトレンディになってきて、フォーとかおにぎりとか、寿司以外にも「(移民向けではない)ヒップスター向け」のアジア料理も増えてきているのも、オシャレっぽいのに加えてヘルシーさが大きな要因だと思う。しかし、基本的に、アメリカでは海藻はあんまり食べ慣れていない人が多い。ワカメとか海苔とか、色の黒い食べ物が不気味なのか苦手みたいね。だから、アメリカ人向けの寿司は太巻きでも外側がお米になっていたり、カラフルなソイペーパーになっていたりする。
そんなアメリカ人の好きなのはベーコン。ベーコンエッグやサンドイッチに入れるのはもちろん、ベーコンを乗せたドーナツ、ベーコン味のチョコレート、ベーコン味のビールまで。ベーコン味のグッズもいろいろある。油っぽく塩辛い加工肉、身体に悪いとわかっていても美味しくてやめられないんだよね。←気持ちはわかる!
そんなアメリカ人にとって「ヘルシーな海藻なのにベーコン味!」というのはまさに夢のような響きを持っているのだ。
実際は少しくらい違う味であっても、大雑把な味覚を持つ人たちには気にならないのだろうし。
ダルスは栽培が容易で栄養が豊富なため、食料として注目を集めており、これまで、アイスクリームやビールなど様々な製品への応用が工夫されてきたそう。今回、ダルスを速く養殖できる技術が発明されたことで、ダルスを使った食品がどんどん増えてくるかもね!
(あ、あとうちにまだまだダルスあるんで、近所の人は遊びに来たら食べてみてくださいねー!)