グッチが、トランス女性のモデルをメンズ・コレクションのランウェイに起用したことが話題となっています。
.@gucci picks a transgender model for its menswear runway show: https://t.co/VOg5LprxI8 pic.twitter.com/PSAPezZdyV
— ELLE Malaysia (@ELLEMalaysia) January 20, 2016
今回グッチは、ミラノで行われたメンズ・コレクションのショーのために、8人の女性モデルを起用しており、ハリ・ネフ(Hari Nef)はそのうちの一人でした。トランス女性なのにメンズコレクションって……そういうのよくないんじゃない?と思ったんですが、あくまで、女性モデルの一人としてのキャスティングだったんですね。
今、ハイファッションではジェンダーニュートラルというキーワードが多きな注目を浴びており、これまでも、コレクションでトランスジェンダーのモデルが多く起用されています。グッチがトランスジェンダーモデルを起用したのは初めてのことでしたが、そもそもグッチのテイストからすると、このようなキャスティングには意外性はありません。
トランスジェンダーのモデル、ハリ・ネフ
ハリ・ネフは、トランスジェンダーのモデルとして初めて、ジゼル・ブンチェンやジジ・ハディッド、ケイト・モスなどが所属するIMGに所属しました。ネフによれば、IMGの代表アイヴァン・バート(Ivan Bart)は、面接でこのように述べたそうです(参考記事)。
「これまでもトランスジェンダーのモデルを沢山見てきたけれど、誰ともサインしなかった。彼らは自分の性自認に注目が集まるような仕事はしたくなかったんだ。彼らは、ただモデルとして見てもらいたかったのであり、『トランスジェンダーのモデル』として見てほしくはなかったんだ。こういう仕事についてはどう思うかね?」
ネフは即答しました。
「そういう仕事を全て私にください。私はただ働きたいのです」
個人的には「トランスジェンダーのXX」として見られるのではなく、ただの自分として見てほしい心情は、よくわかります。しかし、「トランスジェンダーの」という事実が、まだ人々の注目を引いてしまう現在の実情においては、「トランスジェンダーの」と属性とセットで見られ、注目されることを厭わない人が、プロジェクトを勝ち取っていく側面はあるのかもしれませんね。これって、「女性の」とか「ゲイの」とかさまざまな属性に当てはまる気がしました。