レズビアンをテーマにした芝居が今週いっぱいまでやってるというので観てきた!
ストップ・キスは、韓国系アメリカ人の脚本家「ダイアナ・ソン」が書いた芝居で、1998年にニューヨークでオフ・ブロードウェイとして幕開けをした後、全米・そしてアメリカ以外でも何度も上演されている。
物語は、ニューヨークを舞台に、二人の女性が知り合ったところから始まる。
NYのアパートに11年間住んでいる道路状況リポーターのキャリーと、ミズーリ州セントルイスから教員のフェローシップをようやくゲットし、NYに引っ越してきたばかりのサラ。「猫の世話をする」という取り決めのもと出会った二人は、徐々に惹かれ合う。しかし、彼らが初めて交わしたキスは、思わぬ形でストップされる。「ダイク!(レズビアンを指す侮蔑語)」という言葉とともに、見知らぬ男に襲われ、サラは意識不明の重体となるのだ。サラの元カレや家族、それに、キャリーの男友達なども巻き込み、自体は思わぬ展開を迎える。
レズビアンのラブストーリーだったけれど、個人的には、ニューヨークが舞台なのと、二人がまだ「ゲイ」自認を持っていない、いわゆる「ノンケ同士のうれしはずかしはじめて物語」なの。そしてこういう「ヘイトクライム」という形での差別が自分にとっては身近でないために、「これは自分のお話だー」っていう感じにはならなかった。
この芝居は、二人が親しくなっていく事件前の場面と、事件後の取り調べや病院での様子など、場面がぱっぱっと切り替わる面白い構成になっている。恋愛が形成されていく時のドキドキ感やエキサイト感と、「ヘイトクライム」という重苦しいテーマのコントラストがより鮮やかに見えるんだよねー。映画の編集っぽいといえば映画っぽいんだが、生のパフォーマンスでこの切り替えをやり遂げてる女優はすごいと思ったわ!あえて難を言うなら、今回のプロダクションでは二人とも女優がノンケっぽすぎて……何となくケミストリーの表現が弱かった気がするぞ。ポスターのサラ役はかなりブッチで、それはそれでリアルでよいかと思った。
今回サラを演じたSharon Lealは、映画『ドリームガールズ』でジェニファーハドソン演じるエフィーの代わりにグループに加入した子だった!わーぉ!メインストリームの役者だったので驚き。もう一人のアンジェラ・リンは中国系アメリカ人で、やはりTVや映画に結構出ているようだ←どっかで見たことあるんだよね。。。脚本は書いたのもアジア人だし、プロダクションも、白人だらけになってないとこがすごくよかったー。
この芝居は、二つのシーンをつなぐ瞬間である「キスシーン」で終わる。ハッピーエンディングっぽいが、その後に起こる悲劇を知っている観客は脳天気に喜んでもいられない。でもその瞬間だけみたら、美しく幸せこの上ない「キス」。
その後「で、どうなったの!?」(犯人は捕まったのか?サラは回復したのか?そして、サラの将来はどうなるのか?二人は今後「ゲイ」として生きてくのだろうか?など)というのは描かれないままで終わる。でも、それはそれでいいんだろうねー。そっちの話が出てきたら、話のフォーカスがズレてしまうから。
客層は、レズビアンが多いかとおもいきや、意外にも大多数は年配の白人カップル!これは劇場のあった土地に白人が多いのと、この劇場自体のサポーターが多いんだろうなーと想像。レビューもよかった。
もしも、機会があったらぜひ観てください!
↑小説もあります。しかも日本語に翻訳もされてた!これはちょっと驚き。 *