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虹の向こう側

世界はこうして変わってきた!映画『ビリーブ 未来への大逆転』のスピーチに感動した理由

映画『ビリーブ 未来への大逆転』(原題:『On the basis of sex』)を観た感想です!

『ビリーブ 未来への大逆転』あらすじ

1950年代。ルース・ベイダー・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)はハーバード大学の法科大学院の1年生であった。多忙な日々を送っていたルースだったが、夫のマーティン(アーミー・ハマー)がガンを患ったため、夫の看病と娘の育児を一手に引き受けざるを得なくなった。

それから2年後、マーティンのガンは寛解し、ニューヨークの法律事務所で働き始めた。ルースはコロンビア大学で取得した単位を以てしてハーバードの学位を得ようとしたが、学部長に却下されたため、やむなくコロンビア大学に移籍することになった。ルースは同大学を首席で卒業したにも拘わらず、法律事務所での職を得ることが出来なかった。ルースが女性であったためである。やむなく、ルースは学術の道に進むことになり、教職を得たラトガース大学で法律と性差別に関する講義を行った。

1970年のある日、マーティンが持ち込んできた案件の一つがルースの関心を引いた。その案件はチャールズ・モリッツという名前の男性に関するものだった。モリッツは働きながら母親を介護するために、介護士を雇うことにしたのだが、未婚の男性であるという理由でその分の所得控除が受けられない状態にあったのである。その根拠となる法律の条文には「介護に関する所得控除は、女性、妻と死別した男性、離婚した男性、妻が障害を抱えている男性、妻が入院している男性に限られる」とあった。ルースは法律の中に潜む性差別を是正する機会を窺っていたが、モリッツの一件はその第一歩に最適だと思った。「法律における男性の性差別が是正されたという前例ができれば、法律における女性の性差別の是正を目指す際に大きな助けとなるに違いない。また、高等裁判所の裁判官は男性ばかりだから、男性の性差別の方が共感しやすいはずだ」と考えたからである。

ルースはアメリカ自由人権協会(ACLU)のメル・ウルフ(ジャスティン・セロー)の助力を仰いだが、にべもなく断られてしまう。その後、ルースは公民権運動家のドロシー・ケニヨン(キャシー・ベイツ)に会いに行き、必死の説得の末に協力を取り付けることができた。ケニヨンの口添えで、ウルフも協力してくれることになった。

デンバーにいるモリッツは訴訟を渋ったが、お金が目当てではないというルースの熱意に心を打たれ、地元の行政府を訴えることに同意する。法曹の実務経験がなかったルースは法廷経験のある夫、マーティンの力を借り、弁論の前半はマーティン、後半はルースと力を合わせて裁判の準備を進めていく。国の運命を変える裁判の行方はいかに?

『ビリーブ 未来への大逆転』の感想

面白い、面白くない、映画としてどうのこうの、ではなく、この伝記映画の元となった人物や事実についてあがめるあまり、インスピレーションを受けまくる。という種類の作品です。←そーゆー意味では、わたしの中では、ビザー・ジーン・キングの伝記映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』とかハーヴェイ・ミルクの『ミルク』と似てます。

ルース・ギンズバーグって誰よ?

ルース・ベイダー・ギンズバーグはアメリカ合衆国最高裁判所の判事で、ビル・クリントン大統領から1993年に指名されました。現在連邦最高裁に3人いる女性判事の一人で(指名されたのは2人目)リベラルな判断を下すことで知られています。

以下、ウィキペディアからの引用ですが、わかりやすいのでご覧ください!

米国の連邦最高裁では、リベラル派・保守派判事の構成状況によって妊娠中絶や銃規制など重大な憲法判断が大きく揺れ動くため、もともと連邦最高裁判事の去就は一般社会の注目を集めやすい。とりわけギンズバーグは保守化した現在の連邦最高裁においてリベラルな判断を示す貴重な存在であること、また慣例を破って一般メディアの取材にしばしば応じることから、性差別とたたかうリベラル派法律家の代表格として広く動向が注目されるようになった。

この傾向はトランプ政権発足前後からさらに強まり、ギンズバーグ判事の半生を題材にした子供向けの絵本が相次いで出版されたほか、判事を描いたマグカップやTシャツなど関連グッズまで売り出された。3大TVネットワークNBCの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」では、著名コメディアンのケイト・マッキノン扮するギンズバーグ判事が時事問題を取り上げるパロディの放送を開始。こうした現象をとらえて、判事は「ポップ・カルチャーの新しい象徴」とも評されるようになった。

ケネディ大統領が「JFK」と呼ばれるのと同様、判事も名前の頭文字をとって「RBG」と呼ばれることが多い。また判事の動向をフォローする個人ブログが人気を集め、そのブログが著名ラッパー「ノトーリアス・B.I.G.」をもじって「ノトーリアス・R.B.G」と題されていたことから、メディアでもその呼び名が使われることがある。

2018年には判事の活動を描くドキュメンタリー『RBG』や、伝記映画『ビリーブ 未来への大逆転』が公開された。後者は甥であるダニエル・スティールマンが脚本を担当し、ルース・ベイダー・ギンズバーグ役にはフェリシティ・ジョーンズを迎え、ミミ・レダーが監督している。

大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ―男女差別とたたかう最高裁判事

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このように人気の高いギンズバーグ判事ですが、85歳と最高裁判事の中で最高齢であり、最近では骨折やがんの手術など、健康面での不安が囁かれています。

時代を変える司法の力

さて、この映画で一貫して焦点となっているのが司法判断についてです。司法は、三権分立の一角を占める国家権力であり、通常はあくまで法律に従って判断をしていく存在ですが、同時に判決は一種の「法」として拘束力を持ちます。また、立法府が作った法律が憲法違反の場合は、司法府はその無効を宣言する権限を持ちます。

多数派によって支配される立法府とは異なり、「理」によって判断される司法府は、少数派の権利擁護のためには重要な意味を持ちます。←映画では、人口の半数を占める女性がマイノリティと言えるのか?論点になっていましたが……

ちょっと大丈夫かな?となった後の、法廷でのスピーチは、とても感動的でした。「法律を作るわけではないけれども、社会の変化に合わせて先例を築き上げていく」司法の役割とそれを果たすよう訴えるルース・ギンズバーグと、裁判官の表情の変化が、よかったです。

実は、政治が混乱している今こそ、司法に対しては期待が寄せられていると感じています。カリフォルニアでも、アメリカでも、同性婚は「司法」のおかげで実現しました。そして、日本でも同性婚をめぐり、裁判が起こされています。

以前からわたしはそんな司法に期待し、裁判の行方に注目していますが、この映画も法の精神と司法に対する信頼が感じられるものでした。

夫が理想的すぎ

映画の中でつくづく感じたのが、ギンズバーグ判事と夫との関係が超理想的!ということ。

夫を演じるアーミー・ハマーは超イケメン&長身で、自身もハーバード出身の弁護士であり、しかも、性格がよい!いつも家では料理をし、思春期の娘が反抗した時は、優しく話を聞き、妻を尊敬し、協力しながらも、決して自分が自分がと出しゃばらない。

理想的な夫すぎて、ストレートの女性向けファンタジー?ポルノ?と思うほどでしたw

この映画はギンズバーグ判事の甥が脚本を書いており、ギンズバーグ判事本人も最後に登場するなど、かなり当事者が関与して作られています。そのため、美化されている部分もあると思います。←疑い深い。

夫のキャラだけでなく、映画の中で描かれていたシーンについてもどこまで史実に忠実なのかはわかりません。今後ドキュメンタリー観るなどして、調べたいと思います。とにかく「よい話」としてまとまっている映画です。

それにしてもこの邦題は……

洋画の日本公開時には、変な邦題がつくのがお約束ですが、本作も、期待を裏切らない変な題です。

個人的には、『Hidden Figures』の邦題がすったもんだの挙句『ドリーム』になったののシリーズ化か?と感じました。

現代の『On the basis of sex』は、「性別に基づく」という意味で、この裁判の元となった法律用語が使われています。何かそれに近いフレーズなかったのかなー?と思いますが……思いつかない(汗)邦題つけるの大変ですね!

『ビリーブ 未来への大逆転』の評価

  • インスピレーション度 ★★★★★
  • フェミニスト度 ★★★★★
  • ハリウッド風美談度 ★★★★★