1991年の映画『ハートブルー』(原題:Point Break)を観ましたよ。
かなり古い映画なのですが、今丁度リメイク版の『X-ミッション』が公開されているのと(ちなみに評判は散々)、新年にサーフィンの記事を書いたので、観たくなったのです。
あらすじ
エリートFBI捜査官のジョニー・ユタ(キアヌ・リーブス)は、ロサンゼルスのベニス・ビーチで続発する銀行強盗の調査をベテラン刑事のパパス(ゲイリー・ビジー)とともに任される。犯行は歴代大統領の覆面を被り、わずか90秒で盗みを終えるプロフェッショナルによるものだった。二人は犯人をサーファーであると推測し、捜査を開始する。
ジョニーは早速、潜入捜査のためサーファーに成りすまし、サーファーコミュニティーに潜入。サーファーの彼女も出来、コミュニティーの親分的存在であるボディ(パトリック・スウェイジ)にも仲間として認められていく。これまで、いつも他人を満足させることで生きていきたジョニーは、初めて自分のために生きていることを実感するが、同時に仲間たちが「強盗」であることを確信。そんな、ある日また銀行強盗が起きる。捜査に向かったジョニーは決断を迫られる……。
感想
サーフィン映画だけでなく、ミステリーであり、アクション映画であり、スカイダイビング映画でもある青春映画。FBIの捜査官はこれはないでしょうとか、いろいろ突っ込みどころが多いのですが、まあ、ネットも携帯もない時代の映画だからねーと思えば楽しめるさわやかな映画です。
そして、サーフィンとスカイダイビングがしたくなります!
キアヌ演じるFBA捜査官のジョニーはものすご〜く可愛い!捜査のために近づいた女タイラーに本当に恋をしてしまうみたいな展開なのですが、キアヌの演技も演出も薄いので、なんとなくそこに説得力がない気がしましたね。いつの間にそんなに好きになってたんだ?っていう。そっちのロマンスよりボディxジョニーの方がよっぽど説得力があり、濃く描かれているので、監督は「男同士の絆」が好きなんだなーと感じました。
ハリウッドで活躍する稀有な女性監督
『ハートブルー』を観ようと思ったもう一つの理由。それはキャスリン・ビグロー監督。去年は、ハリウッドにはびこる女性差別が話題となり、わたしもハリウッドで製作者として活動している女性何人かに取材をしたのだけど、そこで彼女たちが「尊敬する女性監督」として挙げていたのが、女性として初めてアカデミー賞を受賞した監督でもあるキャスリン・ビグローでした。ちなみに、元夫のジェームス・キャメロンは、『ハートブルー』の製作総指揮として関わっています。
キャスリン・ビグローは、イラク戦争での爆弾処理班を描いた『ハート・ロッカー(The Hurt Locker)』、オサマ・ビン・ラディンの殺害計画を描いた『ゼロ・ダーク・サーティー(Zero Dark Thirty)』などの戦争映画で知られます。現在は、アフガニスタンの基地から離脱して大きな話題になったボウ・バーグダールについて映画化しようと考えていると言われています(参考記事)。
戦争映画とサーフィン映画ではかなり趣が違うのですが、観てみて感じた共通点は「男同士の絆」。
特に、『ハートブルー』では女のキャラは結構どうでもいい扱いです。男女の恋愛は完全に添え物で、監督の目線は完全にキアヌ・リーブス演じるジョニーと、ボディの関係に注がれています。
もしかして、キャスリン・ビグロー監督は、BLとか好きなんじゃないのかな?という印象を受けました。
ハリウッド映画とBLを一緒にするなー!と怒られてしまうかもしれませんが、BLが好きな人は一度キャスリン・ビグロー監督の作品を見てみてください。
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