若いレズビアンへのアドバイス=お金を稼ごう
ちょっと前、ツイッターとかで「若いレズビアンの人々へのアドバイス」として、「とにかくお金を稼ごう」というようなのがちょくちょく流れてきてました。もう元ツイートが消されているようなのもあるのですが、わたしの観測範囲だと、決してひとつではなく、いくつかあった気がします。
レズビアンとして生きていくためには、経済的自立が必要不可欠。なので、この意見には全面的に賛成です。「稼げる職業」「女が一人でも、一生食べていける職業」を戦略的に考え、そのために、必要な技術や資格を取っていく……。うん。やろう。やってこうぜ。
社会を変えるとか、世界を変えるとか、でかい口叩くのもよいのだけど←お前やw
まずは「自分に出来ること」を粛々とやっていくこと、そして、そのこと自体がひとつの社会的意味を持つんだと思うんだよね。マイノリティって存在しているだけで、望むと望まないとに関わらず政治的意味を持ってしまうところがあるというか。
だから、まずは自分が稼ぐなり、利用できる施設や社会福祉制度などを利用するなりして、しっかり一人でも生きていけるようになること。それは、自分のため、そしてそれが結果的には社会のためにも何よりも大事なことだというのはわかります。
なので「誰かさんが自分を養ってくれるだろう」とか「何のスキルも将来設計もないけれど、なんとかなるだろう」という感じで依存的に生きているような人がいるとしたら「いやいや、まずは自分で自立できるように頑張ろうよ」というメッセージはありだと思っています。
「お金を稼ごう」のその次へ
しかし。しかしですよ。
わたしは、ここであえて言いたいのです。
「お金を稼ぐ」ことだけにフォーカスするのは危険です。
お金を稼ぐことは大事です。これは多くの人が指摘されているとおりで、わたしもそれに異論はまったくありません。でも「そこ」をゴールにしてほしくない。「お金を稼ぐ」の先にあるものをゴールにした上で、稼ぐ努力をしようよ、と。
お金は手段に過ぎません。
そのお金で何をしたいのか?手にしたいものは何なのか?ということを考えることが大事なのです。
「とにかくお金」と思っている人も、ほとんどはそうじゃない
「いや、自分はとにかくお金が欲しいのだ!」
という人もいるかもしれません。
そういう人もいるでしょうが、実は多くの人はそうじゃないと思います。
でも、例えば、
「1万円あげるけど、明日死ぬことになるけどいい?」
と言われたらどうですか?
きっと、「お金のため言え、それはやらない」という人は多いのではないでしょうか?多くの人は「お金」よりも大事な価値観を持っているわけです。
でも、「寿命1年と引き換えで、100万円あげる」と言われたら?
もしかしたら「数年間短くなっても、数百万貰えるならいいや」となる人がいるかもしれませんね?
また、彼女や大切な家族が目の前で殺されそうになっている時に「1000万円よこせ!そしたら許してやる!」と言われたら……?
もう何がなんでも借金してでも1000万円払う!という人もいますよね。
でも、それが「アフリカで人々が死んでいるので、キレイな水のために1万円寄付してください」と言われたりすると「1万円はちょっと…」とかになる人もいるでしょう。
そういう感じで「お金」と「命」といっても、どちらか大切かというのは、一言には言えないわけです。そのお金の量、自分に残された時間の量、それらの様々な要素によって変わるわけです。
「お金が欲しい。それで彼女と楽しく暮らしたいから」
という人にとっては、激務で心身の調子を壊したり、彼女との時間が減ってしまったり、ましてや彼女との関係が悪くなって別れてしまったりするとしたら、本末転倒なわけです。
もちろん、体や心の具合が悪くなったり、彼女と別れてしまったとしても、それが「人生終わり」なわけではなくて、またゆっくり休んで元気になって、きちんと幸せになることはできると思いますけどね。
自分の「価値観」は何なのか?自分にとって「大事なもの」は何なのか?自分にとって「幸せ」とは何なのか?自分はどういう時に幸せを感じるのか?自分の人生で成し遂げたいことは何なのか?その「幸せ」を成し遂げるために必要なものは何と何で、優先順位は何なのか?
そういうことを常に考えた上で、「お金を稼ぐ方法」について考えた方がよいと思います。
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