コーヒーで火傷をしたといってマクドナルドを訴え、巨額の賠償金を勝ち取る!というのは、長い間アメリカの「馬鹿な訴訟文化」を示す一例として使われてきた。アメリカの法律の教科書でもまず取り上げられる例だ。しかし、今後、この「馬鹿な訴訟文化」の代表例が変わるかもしれない。
レッドブルは「翼をさずける」という広告コピーで売り出されていた。しかし、レッドブルを飲んでも、翼が手に入らないじゃないか!虚偽広告だ!ということで、集団訴訟が起こされ、そして……なんと、レッドブルは実質的に負けてしまった!13ミリオンドル(約14億円)を払うはめになった!
2002年の1月1日から2014年10月3日までの間にレッドブルを買った人は、現金で10ドルまは15ドル分のレッドブルを受け取ることができる。(購入したことの証明はいらない)
クレームをするためのウェブサイトは早速アクセスが多数殺到したためクラッシュしている。
わたしもアメリカに住むこの数年間で、何度もこのような集団訴訟に誘われた。フィットネスクラブの会費から、銀行の手数料、ジュースの内容、そして、携帯電話の宣伝テキストメールなど。しかし、こんなアホらしい訴訟ははじめてだ!マジで「翼をさずける」って文字通りにとるアホがいるなんて!でもレッドブルにとってはこれはマジの損害だ。やってられないね。これからは、広告のキャッチコピーにも気をつけなければいけない、と震え上がっている企業は他にもいるだろう。
あ、次は、誰かがディズニーを「世界で一番幸せな場所(The Happiest Place on Earth)」ではないといって訴えるかもね!
追記:どうも裁判の争点になったのは「翼をさずける」というコピーの文字通りの意味だけじゃなくて、それに伴う「肉体的に強くなる」「集中力が高まる」などに対して、っていうことらしいですね。あーびっくりした。
それにしても、今日は和解のページが復活していたので、ちょっと見てみました。ここから書いても、13ミリオンという上限があるので、あっという間に制限人数に達していそうですが……・。