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代理ミュンヒハウゼン症候群のドキュメンタリー&huluのドラマ『The ACT』

事実は小説より奇なり。代理ミュンヒハウゼン症候群にまつわる奇妙な殺人事件のお話です。

huluのドラマ『THE ACT』

huluでこんなドラマが始まってます。

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『THE ACT』

www.hulu.com

hulu日本では、まだ配信されてないようですが、今回はこのドラマの元となった事件についての紹介です。

ジプシー・ローズに何があったのか?

実は、このドラマ『THE ACT』は2015年に起こった実話を元にしており、名前もそのままになっています。

ハリケーン・カトリーナの被害にあって、ニューオリンズからミズーリに引っ越してきた女性ディーディー・ブランチャードと娘のジプシー・ローズ。彼女は小さな頃から筋ジストロフィー症、ぜんそく、白血病、たくさんのアレルギー、てんかん、知的障害などの様々な状態を持ち、歩けないために車椅子を使っていました。病気を戦う少女、そして献身的に支える母親としてテレビ出演などして有名になったジプシー・ローズとディーディーは、チャリティー団体から家を立ててもらうなどしていました。しかし、実はこれらの病気は、全て母親が仕組んだ「フェイク」なものでした。娘の頭を剃り、数多くの薬を飲ませ、お腹にあけた穴から流動食を流し込み、呼吸器をつけ、ちょっとしたものを食べたあとはエピペンを注射し、救急室につれていく。ジプシー・ローズは障害者認定を受けており、それにより多額の補助金を受け取っていました。

ジプシー・ローズ自身も、母親の洗脳により、自らが病気であることや歩けないこと、「みんなとは違う」を受け入れていました。しかし、思春期になったジプシーには、徐々に独立心が芽生え、友達や異性など、外界への興味が膨らんでいきます。そして、医師のなかにはジプシーの医療記録を調べ「本当に病気なのか?」と疑う者もでてきます。

外部の調査が入るたびに、うまいことを言ってごまかすディーディーですが、ジプシー・ローズは自分には車椅子も呼吸器もいらないこと、好きなものは何でも食べられること、そして母親が嘘をついて自分をコントロールをしていることにも気づきます。そして、ついに出会い系サイトで知り合った「彼氏」が出来たジプシー・ローズは、彼氏のニックと共謀し、母親を殺して自由になる計画を立てます。

この事件を扱ったドキュメンタリーも出ています。

ドキュメンタリーの後半では、すっかり健康になったジプシー・ローズが父親(イケメン)と再会ししっかり抱き合っている姿が印象的です。しかし同時に、ジプシー・ローズが、母親譲りのマニピュレーターの才能を持っているところも垣間見れて恐ろしい。

 代理ミュンヒハウゼン症候群

さて、この、悲劇の原因にあったのが、ディーディーが持っていたと言われる代理ミュンヒハウゼン症候群です。

Wikipediaによれば、代理ミュンヒハウゼン症候群(だいりミュンヒハウゼンしょうこうぐん、英: Münchausen syndrome by proxy、MSbP、MSP)とは虚偽性障害に分類される精神疾患の一種で、周囲の関心を自分に引き寄せるためにケガや病気を捏造する症例です。その傷付ける対象が自分自身ではなく身近の者になるというもの。 多くの場合、傷害対象は自らの子や要介護者であるため、児童虐待、高齢者虐待、障害者虐待と同列に挙げられます。

しかしながら傷害行為自体は患者の目的ではなく、手段として傷害行為に及び自分に周囲の関心を引き寄せることで、自らの精神的満足を他者から得ようとしているもの…とのことです。

ディーディーも、わざとジプシー・ローズを傷つけていたというよりも、どこか信じ込んでいたような部分もあります。そもそも、ディーディーはジプシー・ローズが生まれるより前の昔から犯罪を繰り返していたと言われていたため、まあ代理ミュンヒハウゼン症候群に限らず、いろいろと嘘つきというか、心に問題を持っていたんだと思います。

なんといっても、肉親からも「当然の報いだ」みたいなことを言われてますからね、ディーディー。そして、母親が子供に対して持つ絶対の支配力を最大限に利用するディーディー。

人間って恐ろしい!どんなホラー映画よりも現実が恐ろしいと感じる瞬間です。

ですが、こういう人間は、少数ですが実在するということを知っておくのは大切ですね。

自分や、周りの人を守るためにも。

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