ロサンゼルス郊外にあるシラチャソース工場見学に行ってきたレポートです!
シラチャソースとは
シラチャソースは、辛いチリソースです。もともとはタイの「シラチャ」という街で生まれ、多くの家庭で作られていたそうです。アメリカのアジア系レストラン(特にベトナムレストラン)には必ずといってよいほどおいてあり、寿司屋でも「スパイシーツナ」の味付けのためなどに使われています。
日本語でスリラチャ、シラチャ、などで検索すると、やはりアメリカ在住の人の記事がよく見つかりますが、日本を含むアジア圏にも広まっているようです。
フイ・フォン・フード(HuyFongFoods)とは
フイ・フォン・フード(HuyFongFoods)は、ロサンゼルスで最も人気のあるシラチャソースを作っている食品メーカーです。ベトナム系移民のデイビッド・トランが一九八〇年にチャイナタウンで創業し、その後、ローズミード、と移転しながら、拡大してきました。今回見学に行ったアーウィンデイルの工場は、二〇一〇年に、五〇ミリオンドルを費やして完成した施設です。
工場の中
ロサンゼルスダウンタウンから、約三二キロメートル東、四〇分ほどドライブして、フイ・フォン・フードの工場に着きました。赤い提灯が下げられ、人々で賑わっています。
工場の入り口では、なんと創業者のデイビッド・トラン自らがお客と一緒に写真撮影をしています。今となっては大富豪だろうに、親しみやすいな!
中にも、デイビット・トランの人形などおいてありました。アメリカン・ドリームの体現者であるトラン氏は、ベトナム系移民にとっては、ヒーローのような存在なのでしょう。
大量のトウガラシ
チリソースの原料であるトウガラシは、主に秋にとれるそうです。トラックからどどーっと流れてくる大量のハラペーニョは圧巻です。シーズン時は週に六日、その日に収穫されたトウガラシがトラックで運ばれてくるそうです。
ソートされ、洗われたトウガラシは、グラインダーの中で粉々になります。この「チリ・グラインディング」が行われている部屋の周りは、歩いているだけで、空気がチクチクするように感じました。そこで、鼻を覆うティッシュが配られていました。
トウガラシに対してセンシティブな人や、アレルギーを持つ人は気をつけた方がよさそうです。
トウガラシで大気汚染?
以前、フイ・フォン・フードの工場の近くで「匂いが気になる」「空気が汚染されている」という住民の苦情があり、市がフイ・フォン・フードを訴えるという事件がありましたが、「これか〜」と思いました。
※デイビッド・トランは、政治家などを工場に招待し、どのように工場が運営されているのかを見せ、空気清浄機をアップグレードし、また多くの苦情が、数軒の特定の家庭から出されていたことなどがわかり、結局この訴えは取り下げられています。フイ・フォン・フードが地元のコミュニティに大きな雇用を生んでいることも、この決定に影響を与えた模様です。
火にかけていないフレッシュなトウガラシソース
今回はじめて知りましたが、フイ・フォン・フードのシラチャソースは、トウガラシをローストしたりソースを火にかけていません。フレッシュなトウガラシを砕いたものを、塩、酢、そして保存料と混ぜてベースのソースができます。
このベースのソースをもとに「シラチャ」「チリ・ガーリック」「サンバル」の3種類の味のソースが作られます。
ボトルとパッケージ
フイ・フォン・フードではボトルも作っています。小さな試験管くらいの大きさのプラスチックがひゅんひゅんと大きくなっていき、白地でシルクスクリーンでプリントされて次々とできてきます。
完成したボトルにソースを注入し、フイ・フォン・ブランドの証である「緑色のキャップ」をはめると、見慣れたシラチャソースの完成です。
自動でどんどんボトルがケースに入れられ、ダンボールが積み上がって、パレットと一緒にシュリンクラップされていく様は、面白かったです。ロボット、器用すぎてずーっと見ちゃいました。ダンボールちゃんと持ちあげて、ずれないようにおいていくの!すごい!
お土産が超充実!
工場見学が終わると、Tシャツとサンバイザーがもらえます。サイズも充実していて、親切。更には、シラチャソース、ガーリックソース、サンバルソースのうち好きな味を一つもらえます!わたしはガーリックソースが好きなので、それを選びました。
また、シラチャ味のポップコーン、シラチャ味のジャーキーのサンプルももらえます。さらには、カップに入ったシラチャ味のアイスも無料でもらえます。いやいや、気前よすぎるでしょ〜!
甘さ控えめで、しっかりシラチャの味がして、不思議なんだけど、なかなか美味しかったです。
お土産グッズはスナック、Tシャツ、トランクス、ソックス、その他いろいろなものが売ってます。
シラチャのデザインなかなかポップなので、可愛いです。いろいろ買っちゃいましたー!
思ったこと
フイ・フォン・フードってビジネスとして見るとホント面白くて、まずアジア系移民が成し遂げたアメリカン・ドリームの物語としても読めるし、マーケティングの材料としても面白い。
というのは、彼ら、全然広告費を使ってないんですよ!ウェブサイトもぶっちゃけしょぼいw
ところが、工場見学に行くと「好きなだけ写真もビデオも撮ってね〜」って感じでハッシュタグが書いてあったり、いろいろなイケてる地ビール屋やアートとのコラボがあったりとか、なかなかお上手。
上で書いた地元コミュニティや政治的な対立など、いろいろな試練があったあろうに、生き抜いてきた彼らのタフさを感じました。
こんな人におすすめ
フイ・フォン・フードはロサンゼルスが初めての人がわざわざ行く場所じゃないかもしれないけど、ロサンゼルスに住んでる人、工場見学が好きな人、辛いものが好きな人、ちょっと変わったお土産を探している人、家族連れでお金のかからないレジャーを考えている人などにはおすすめです!
参考
以前、シラチャをテーマにしたアートショーに行ったときのブログです。
アクセス
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