画像:BANKSY presents The Antics Roadshow on Vimeo
プリンセス・ヒジャブ(Princess Hijab)はフランスを舞台に活躍するグラフィティ・アーティストだ。主に、ブランド品や化粧品などの広告を真っ黒なマジックで塗りつぶし、まるで、モデルが「ヒジャブ」や「ブルカ」を身にまとっているかのようなビジュアルをつくりだす「ヒジャブする(hijabise)」( "hijabizing" や "hijabization"とも )ことによって、ショッキングな表現を生み出している。
画像:Cornered – Princess Hijab, Paris's elusive graffiti artist | Art and design | The Guardian
わたしたちは、ヒジャブやブルカに身を包むムスリムの女性たちを見て「隠れている」と感じるけれど、それは、女性の素顔を分厚い化粧品で隠し、エアブラシとフォトショップで「消して」しまうわたしたちこそ女性のありのままの素顔を抑圧しているのではないだろうか?
プリンセス・ヒジャブは匿名のアーティストで、誰も彼女の素性を知らない。彼女はパリ市民で、イスラム教徒なのかどうかもわからない。昼間は貧しいながらも普通の生活をしているらしいが、夜になると、広告を「ヒジャブする」ために地下鉄に乗り込む(参考記事)。大体45分くらいで撤去されてしまう彼女の作品は、もしも観られたならラッキーというものだっただろう。
プリンセス・ヒジャブの作品は、2011年に、バンクシーのプロデュースしたドキュメンタリー番組『The Antics Roadshow 』にフィーチャーされた*1。その時はフランス政府がイスラム教のシンボルであるヴェールを公の場で着用することを禁止することへの抗議ではないかと捉えられたが、アーティスト本人はこれを否定している。プリンセス・ヒジャブは、フランス政府によるヒジャブの禁止より前の2005年からこの活動をしていたためだ。彼女は当時17歳だったという。
ちなみに最近プリンセス・ヒジャブには動きがない。2011年から沈黙しているようだ。パリへの攻撃後、反イスラムの機運が高まる今、プリンセス・ヒジャブはどこで何を思っているのだろうか?
BANKSY presents The Antics Roadshow from John Paul on Vimeo.
(プリンセス・ヒジャブは36分過ぎに登場)実は、わたしがこのプリンセス・ヒジャブに興味を持ったのは数年前、彼女に関する記事がメディアによく出ていた頃だった。プリンセス・ヒジャブの公式サイトとされるところに行くと、なぜか「ヤプログ」に飛ばされた。えっ。ヤプログー?一応、彼女の作品の写真などが投稿されているが、投稿数は数えるほどしかない。そして、プリンセス・ヒジャブはTwilogも使っていた!
ヤプログとかツイログを使うのって、日本語わからないと難しくない?まさか、プリンセス・ヒジャブは日本人???それとも、このアカウントはもしかしたら偽物?でも、わざわざプリンセス・ヒジャブのふりをする人なんている?
Princess Hijabの公式サイトが何故かyaplogに飛ぶのだが。なぜ!?日本人?@hijabism
— イチカワユウ (@yu_ichikawa) December 22, 2009
↑Twitterで話しかけてみると「ヤプログ好きだから」と答えてくれました(現在はTwitterアカウントは閉鎖)。謎です。