カンボジア政府の意思表明
カンボジア政府の情報省は、12月21日に、エンターテイナーたちが人気を得るために、LGBTコミュニティに関する差別的で不公正な冗談を言っていることを示唆するレターを出しました(参考記事)。
「このようなコメントやパフォーマンスは、LGBTの人々を見下すものであり、市民として同じように守られるべき彼らの権利や名誉を傷つけるものです」
更にこのレターではLGBTに対する差別を撤廃しなければいけないとまで踏み込んで述べています。
この手紙は、地元のLGBT団体である「レインボー・コミュニティ・カンボジア」が70%の人々がLGBTを馬鹿にするようなコメントをしていることを認めたという調査結果を発表した後に発行されました。
レインボー・コミュニティ・カンボジアのスン・ユンさんは、政府からこのような指示が出たことを嬉しく思うと語っています。
「国連と一緒に働きかけることにより、カンボジアではLGBTの人々の権利がより尊重されるようになってきています。私は地元でパートナーと問題なく結婚*1することができました。彼らは同性婚についてはあまり気にしていないのです。しかし、もしも同性婚を認める法律があったらよいのにと思っています」
カンボジアは、まだ同性パートナーシップ法や、反差別法はないものの、元国王が同性婚への指示を表明したりしているんですね。
「ホモネタ」にどう対応するのか
メディアがLGBTを「ネタ」にして笑いものにするのは、どの国でも起こっていることだと思いますが、それに対して釘をさす今回のカンボジアのような姿勢、日本でも見習って欲しいと思います(今回、レターを出しているのが公権力であり、わたしは公権力によるメディア規制には反対なので、この点「検閲」などにつなげる動きに利用されないよう注意しなければいけませんが、拘束力のない「レター」は、スタンス表明としていいのかなという理解です)。
差別的表現があった場合、それを「これは差別である」ときちんと批判し、社会として差別的表現は許さないという姿勢を明確にするのは大事だと思います。