わたしは、ダヴがやってる「リアルビューティー」系の動画キャンペーンがどうも苦手だ。
↑こんな記事を書いたこともあるのだが、今年の動画もようやく観た(遅い)。
動画は、世界の数か国でショッピングセンターの入口を「美人専用」「標準」の2つに分け、女性たちが、どちらの入り口を通るかという実験をした様子を捉えている。多くの女性は、「標準」のドアを選ぶのだが、動画はその裏にある心情などに迫り、女性たちに「『美しい』を選んでいいんだよ!」というメッセージを送っている。
この動画で「考えさせられる」と言う素直な人もいるだろうけど、わたしはやっぱり以前から感じている違和感が拭いきれなかった。ダヴはパーソナルケアなので、美しさの話に繋げなきゃいけないのはわかるけど、結局ダヴの広告で「標準」のドアを選んで「わたしブスなので……でも次は勇気を出して『美しい』を選びます!」とか言ってる女性たちは皆普通に素敵な人ばかりなので。そこで「こんな素敵な人たちなのに『標準』を選ぶなんて!もっと自信を出して!」って綺麗にまとまってるけど、そもそもこのメッセージがなんかすごく上から目線だよねーと思っちゃう。ここで、本当にブサイクな人が出てたら、「いやお前は『標準』でよしw」とかそういう感じになっちゃうんだろうなと。そういう女性が囲まれている敵意みたいのに対してはこの動画は全然無効なの。そっちの方に働きかけないで、女性にだけ「あなたの心持ちを変えて」って言ってるの。
ダウのビデオのなかにはよいものもあるけど、やっぱり、女性の自尊心とか自信を「美しさ」の問題「だけ」と捉えてメッセージ送るのには限界があるよね!女性の自尊心や自信が「美しさ」の評価に大きく依存していること自体が問題なのであって、そこは温存したままで「ありのままの自分は美しい」って口で言っても、なんとなく微妙な気分。
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