#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

ロサンゼルスの丸亀製麺で「アメリカで成功しそうな和食レストラン」の条件を考えてみた

ロサンゼルスに新しくできたうどん屋「丸亀製麺」に行ってきました。

丸亀製麺(ロサンゼルス)の場所

丸亀製麺は、ロサンゼルス国際空港(LAX)から北に30分ほど行った「ソーテル(Sawtelle)」というエリアにあります。ソーテルには日系のお店が集まった一角があり、最近正式に「リトル大阪」と名付けられました。←使われてるの聞いたことないけどw

ソーテルは、日系だけではなく、いろいろ面白いギャラリーとか、洋服やとか新しいレストランがどんどん生まれています。

そんなエリアに、新しくできたのが丸亀製麺でした。オープン直後ということで、かなり行列ができていました。

丸亀製麺(ロサンゼルス)のメニュー

普通の釜揚げうどんにトッピング乗せて食べる系だけじゃなく、とんこつうどんとかクリーム系とか変わり種もありました。

しかし、この日は残念ながら「とんこつうどん」と「クリーム系」のうどんは品切れ…残念。

目の前でうどんを茹でてくれます。

わたしは肉玉うどん。同僚は釜揚げうどんを頼みました。

味つけは、肉を煮込んだタレのせいかな?結構甘く感じましたね。あと、うどんの歯ごたえが……。「讃岐うどん」ということで期待しすぎたかもしれませんが、もう少しコシがあってもいいかなあということ。もう一度くらい行って今度はクリーム系のうどんを試してみたいと思います。

丸亀製麺(ロサンゼルス)で思ったこと

内装やシステムでも感じたのですが、丸亀製麺さんは、日本のレストランをそのまま持ってきてるんですよね。これまでの成功パターンをそのまま持ってきたら、アメリカでもイケる!と考えているのかもしれませんが、実は、こういう考え方はアブナイです。

近くにある有名ラーメン/つけ麺店「つじ田」も、英語では「Tsujita LA Artisan Noodle」と自己紹介をしていますし、アーバインで行列のできるラーメン屋「HiroNori Craft Ramen」も同じです。「日本から来た風」を装っているUmamiバーガーとかもそうですが「うまみとは?」とかをきちんと英語で伝える努力をしています。

ところが、丸亀製麺は、名前も「Marugame Seimen」。ロゴも日本のをそのまま持ってきている。

壁に書かれた「こだわり」も日本のパネルそのまま持ってきただけ。これじゃあお客さんには文字通り伝わりません。ローカライズと翻訳は違うよーなんていう話をよくしますが、ここは「翻訳」すらちゃんとできてないということです。これで、お客様にお店のこだわりなどが伝わると思っているのかなあ?

メニューは、なんとか翻訳されていますが、単純なスペルミス。うーん。残念すぎる。店一軒出すのにいくらかかるのかわかりませんが、印刷物のプルーフリーディングくらい依頼しようよ……。

丸亀製麺は中国・台湾・インドネシアなどアジアではそこそこ世界展開に成功しているようです。しかし、アメリカ本土はここが初店舗。過去にアメリカで寿司ブームやラーメンブームなとで、どんな店が残りどんな店が消えたのか、研究できていない気がしました。

翻訳の話だけではありません。完全に家族経営で細々としている店を除くと、アメリカでうまいこと生き残っている外食チェーンって、ちゃんと、現地のコンサルやデザイン事務所を入れたうえでの「ローカライズ」がちゃんとできてるんですよね。日本の人にとっては「グッとくる」デザインや空間でも、アメリカではそれがウケるとは限らないわけです。というか、むしろ「ローカルの壁」を越えられず、在米邦人や日本からのお客さんが「グッときちゃう」ものばっかり提供しているお店は必ず衰退していきます。

そこらへんは、日系だけでなく、他のエスニックレストランもそうだし、レストランだけではなく、プロダクトやサービスも同じです。

というわけで、ちょっと辛口な言い方になってしまいましたが、うどんの美味しいお店は大歓迎なので、丸亀製麺には頑張って欲しいです。

↑薬味にネギだけでなくてパクチー。これはベトナム進出で得た知見かな?

あ、タイトルにある「条件」は、こんな感じです。

  • (アメリカ人にとって)美味しい
  • (アメリカ人にとって)新しさがある
  • アメリカ人がちゃんとコンサルに入ってローカライズしている
  • ベジタリアンやビーガンなどの選択肢がある

この丸亀製麺ソーテル店がどこまでこのスタイルで「持つ」のか観てみたいと思います

※ちなみに、丸亀製麺を手がけているのは、多くの外食チェーンの海外展開をしている「トリドール」という会社です。

https://www.toridoll.com/