#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

倦怠期のカップル

レズビアンにも倦怠期はある。どんなに派手な結婚式を挙げた二人でも、それは同じだ。一瞬に住んでても、家を買ってても、子どもを育てていても、関係ない。そんなカップルにも倦怠期はあるし、別れることもある。

別に、長く付き合うことが、幸せとイコールなわけではないし、長く付き合える方が偉いわけでもない。自分に正直に、幸せでいられることが一番よいことだろう。

「別れてはいけない」という決まりに縛られて、自分の気持ちに嘘をつきながら付き合い続けるより、正直に、再出発した方がずっとよい。

JenとAnneはもう10年以上つきあっていて、結婚式もしたというのだが、明らかにお互いへの情熱を失っているのが知り合ったその時から見てとれた。パーティでも遠くに座っていて、言われなければ二人が結婚しているとは見えない。

何より、二人の外見や年齢がかけ離れていて……人種こそ違うが、二人はまるで親子のように見えたのだ。私たちと話していたAnneはでっぷりと老け込んで疲れたようにソファに沈み込んでいるのだ。妻のJenは、もっと若く、白髪はあるが刈り込んだ髪型もメイクもクールで、新しい友達と賑やかにしている。この二人が結婚してるんだ!と意外に思った。しかも、馴れ初めは、年下妻Jenの方からベタ惚れだったという。

結婚式の写真を見せてもらいながら、ふぅん、と思っていた。

それからしばらくして、ウエストハリウッドのクラブで、誰かに突かれた…見ると 年下妻Jenだ。奥さんのAnneは?と聞くと、家、とだけ簡潔に答える。それは嘘ではないんだろうけど、その裏にあるドラマをわたしはまだ知らなかった。