映画『Amsterdam』を公開初日に観てきた。出演陣がめちゃくちゃ豪華(クリスチャン・ベイル、マーゴット・ロビー、テイラー・スウィフト、ゾーイ・サルダナ、ロバート・デ・ニーロ、マイク・マイヤーズ、アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ロックにラミ・マレック!!)『アメリカン・ハスラー』や『世界にひとつのプレイブック』デヴィッド・O・ラッセル監督、さらにはラッパーのドレイクがプロデューサーとして参画しており楽しみにしてた作品。
あらすじ
1933年のニューヨーク。「父の死が自然死だとは思えない」と相談を受けた弁護士ハロルドとかつて戦友だった親友の医師バートは、検死を依頼され、彼が毒殺されていた事実を突き止める。しかし、その事実を伝えようとした時娘も何者かによって二人の目の前で殺されてしまう。「こいつらが犯人だ!」ひょんなことから殺人の疑いをかけられた二人は、濡れ衣をはらそうと奔走するが、その過程で12年前、二人が収容されていた戦時病院で看護師として働いていた友人バレリーと再開する。当時、バレリーとハロルドは恋に落ち、親友のバートと三人でアムステルダムで暮らし夢のようなひとときを過ごしていたのだった。かつて、奔放でアーティスティックだったバレリーは、今では謎の神経の病に侵されていた。事件の真犯人をつきとめようと力を合わせる三人は、謎の組織「5の委員会」という存在にたどり着く……?実際に起った軍事クーデターの目論見を素材にしたコメディ作品。
感想
めっちゃイマイチ!期待はずれだった。
謎解き要素、恋愛要素、友情ドラマ要素、人間ドラマ要素。そしてコメディ。様々な要素が絡み合ったストーリーにはポテンシャルがあったと思うし、マーゴット・ロビーはゴージャスだし、アニャ・テイラー=ジョイはキュート。しかし、冒頭から何かが噛み合ってなくて、上映時間2時間以上かなり退屈だった😭後半最近の政治状況を風刺するような描写も出てきてやや面白さは出てきたし、デニーロの演説シーンとかは緊迫感あったのだが、結局最後まで微妙。
豪華キャストの無駄遣いという面では、ロブ・マーシャルの『NINE』を思い出た。ダニエル・デイ=ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレン、ファーギーが出てて、めちゃくちゃ微妙だった作品(汗)
アムステルダムは全体的に余分な描写が多くて演出も過剰。絵が美しくないし、編集もテンポも悪い気がした。コメディと言う割にめちゃくちゃ笑えるわけでもないし。夢の街として描かれるアムステルダムも、実際の街の魅力とかは全然出てこないしね。当時のアメリカで異人種間の恋愛や結婚が違法だったことなどについても、目線が甘い(社会派ではなくコメディ枠だから?)。ただここら辺は、好みの問題だと思うので……。例えばピザにトリュフとキャビアとウニと大トロとあまおうのってるのが許せるか?みたいな好みの問題だと思うので、そういうのが好きな人は好きかもしれない。実際劇場ではところどころで笑いも起きていた。
あ、あと、これは映画とは離れるけど、1933年当時実際何があったのか、調べたくなった。Wikipediaによれば大富豪のビジネスマンたちが、当時大統領だったルーズベルト大統領政権の転覆を図り、ファシストの退役軍人組織を作り、自分たちにとって都合のよい元海兵隊少将スメドリー・バトラーを非民主的な手段で「独裁者」として据えようと計画していた…という話らしい。実際にはこのクーデター計画は実行されず、バトラー少将の告発も「デマ」であるとされたのだが、現代の米国でも、前大統領が選挙結果を否定したり、その流れで議事堂内に暴徒が侵入するなど、民主主義が文字通りの危機にさらされていることを思うと、現実のパロディとしては刺さっている。うん。ほんとポテンシャルはあったと思うので、残念。
https://en.wikipedia.org/wiki/Business_Plot
評価
- 豪華キャスト度 ★★★★★
- 退屈度 ★★★★★
- 笑える度 ★★★☆☆