ロサンゼルスで行われている興味深いゲイイベントのひとつに「普段はストレートなバーやクラブに大勢のゲイが押しかけて、その場所をその日だけゲイバーにしてしまう」というものがある。フラッシュモブ*1の一種と言えるかもしれない。
日本の大阪でも、ビアガーデンにレズビアンが集まる「ビアンガーデン」っていうイベントがずいぶん昔から行われると聞いたことがあるが、コンセプトとしては、それと似ている。
月一くらいであり、場所は直前になるまで知らされず、また場所を知らせるメールを受けとるためには、ネット上で会員にならなければいけない。
ロサンゼルスでは2006年からは、「ゲリラ・ゲイバー・ロサンゼルス」、2009年からはレズビアンが様々な場所に出没する「レズビアン・アタック」が行われ(現在は終了)、また今は「ようこそ委員会(The Welcoming Committee)」という主催者によって「ゲリラ・クィア・バー」が行われている。ロサンゼルス以外にもアトランタ、ボストン、シカゴ、ミネアポリス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンフサンシスコ、シアトルなど全米10都市で行われている。
彼らの目的は「ゲイライフを、ゲイバー以外にも広げること」。バーや、クラブ、スポーツイベント、その他いろいろな場所に集まって楽しもう!と呼びかけている。わたしも普段なら行かないようなバーやクラブに「レズビアン・アタックだから」という理由で随分行ってみたものだった。このレズビアン・アタックは今もうないのだけど、ちょうど、昨日の9月4日「ゲリラ・クィア・バー」がロサンゼルスのダウンタウンで行われたので、行ってきた。
場所はこちら。
http://www.yelp.com/biz/the-lash-los-angeles
リトル東京にもほど近いここは、最近開発が進んでおしゃれになりつつあるエリアと、ホームレスがテントを貼って寝ているエリアがせめぎ合う、ちょうどはざまに位置する。
到着したのは11時くらい。客層は「あっ、ストレートバーだな」って感じで、男が多い。でもハリウッドのクラブとは異なり、ストレートなクラブなのに、セクシーに着飾った女の子は少ない。なんだろう。かなりアングラっぽいというか、ロサンゼルスっぽくない。←褒めてますw
フロアは2つあり、一つはエレクトロクラッシュ系、奥ではヒップホップ系が流れている。
これもやはりフロアは暗めで「出会い系」っていう感じじゃない。でも、出会い目当てじゃないうちらにとっては、それがまた心地いい!
盛り上がりまくるDJ!←つか既にDJしてないし。笑。
Miss Kittinとか、Le Tigre、Waldorf、Peaches、とかかけててなんだろー。一昔のベルリンっぽいっていうかな←行ったことないがイメージ。パーティーモンスター思い出したよね!←それはNY!
時間が経つほどに、クィア系のクラウドがどんどん増えて、フロアのクィア率がアップ!といってもレズビアンだけじゃなくて、ゲイもいれば、性別不明な人もいる。そして多分何も知らずに「なんだなんだ?今日は面白い人が多いなって顔してるノンケもいる。人種的にもかなり入り乱れていて、なんというか、ウェスト・ハリウッドとは全然違う不思議な空間が広がっていた。
そしてその時感じた。
これ、「クィア・バー」をゲリラでやるっていうイベントだけど、これって結局「この世の縮図」なんだって。うちらだって普段いろんな「ストレートな場」にいるわけで、でも、ストレートな振りしてるから、お互いに気づかない。でもいる。ここでは、皆「ストレートの振り」してないから、見える。いろんな人種、いろんなセクシュアリティ、いろんな性別の人たちがいて、皆、自分を隠すことなく、楽しんでることがわかる。
その瞬間、ものすごーい開放感と、そして幸福感が溢れてきた。
「可愛い女の子をナンパしたい!」っていう時は、ギラギラした視線が飛び交うレズビアンイベントが楽しいけど、こうしてストレートな場所に「ゲイのままで」集まるのはなかなか面白い。

- アーティスト: サントラ,トーンズ・オン・テイル,ニナ・ハーゲン,シザー・シスターズ,W.I.T.,スティーヴン“ティン・ティン”ダフィ,シャノン,ABC,キオキ,マリリン・マンソン,ヘッドリラズ
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↑このビデオにはなぜか百合を感じる。
*1:インターネット上や口コミで不特定多数の人々が申し合わせて集まり、特定のパフォーマンスなどを行う行為