映画『マトリックス』シリーズ、『バウンド』、ドラマ『SENSE 8』などで知られる監督リリー・ウォシャウスキーがトランスジェンダーであることを公表しました(参考記事)。
彼女の姉、ラナ・ウォシャウスキーもトランスジェンダーであることを公表しており、マーク・ジェイコブスの広告に起用されたりしています。
これで、かつてウォシャウスキー兄弟として知られた監督ユニットは、正式に「ウォシャウスキー姉妹」となりました。
「そうです、わたしはトランスジェンダーです。そして、ええ。性別移行をしています」
So yeah, I'm transgender.
And yeah, I've transitioned.
しかし、今回のカムアウトは、残念なことに、リリー・ウォシャウスキーが自由意思で決めたことではありませんでした。彼女は、トランスジェンダー女性であることを「アウティング*1」するとメディアに脅されており、その前に自ら公表することを余儀なくされたのです。イギリスのDaily Mailは自宅に行くなどしてしつこく迫っていたようです。
GLAADは、リリー・ウォシャウスキーのカムアウトに対して素早く声明を発表。彼女が本来の姿でいられることを祝福しながらも、「準備ができていない時に、トランスジェンダーであることの公表を強制されるべきではない」とし、「トランスジェンダーであることのアウティングは、ゲイ・レズビアン・バイセクシャルであることをアウティングと同様許されないことだ」とメディアに対して釘を指しています(参考記事)。
命を奪うアウティング
リリーは、かつて、デイリーメールがアウティングしたトランス女性自殺に追い込んだことについて触れています。彼女自身は、家族や周りの理解され、そして、性別移行するだけの経済力もありました。しかし、トランスジェンダーの人々に対する殺人率は恐ろしいほど高く、そして被害者のほとんどは有色人種です。トランスジェンダーであることは簡単なことではないのです。そんななかで生きている当事者のプライバシーを、同意なく暴くというのは、とてつもない暴力です。
リリー・ウォシャウスキーの声明は、かなり示唆に富んだ素晴らしいものなので、あとで時間があったらもう少し長く翻訳して紹介したいと思います。
ネットフリックスで観られる『センス8』は世界中を舞台に手に汗握るサスペンス・アクションであると同時に、もちろんトランスジェンダーのキャラクターも出てくる、非常に多様性に満ちた名作ドラマです。これからのウォシャウスキー姉妹の活躍が、ますます楽しみです。
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