↑この記事読みましたー。ハリウッド映画業界において、男女の賃金格差などの不平等や、スクリーン上での有色人種表象のあり方について批判があることについては、以前も何度か書いています。
今回のフォーブズ日本語版の記事は、「LGBT」に焦点を絞りながら、ちょこっと白人中心主義についても述べてるんですが、実は、この南カリフォルニア大学のレポートは、LGBTだけじゃなくて、ジェンダー、人種も含めた広い意味での多様性について調べたものなんですね。
実際のレポートはこちらからダウンロードできます(PDF形式)
そして、このレポートから読み取れるのは、ハリウッド映画業界がいかに「異性愛中心」「白人中心」だけでなく、どんなに「男性中心」でもあるかということです。
同じレポートを取り上げたフォーブズ英語版の記事では、ハリウッド映画は、スクリーンのなかだけでなく、製作者側にもいかに女性が少ないかを取り上げて、「ハリウッドでは女性は絶滅危惧種である」としています*1。
- セリフのある登場人物のうち、女性は28.1%
- ハリウッド大作ベスト100の監督のうち、女性は1.9%
- ハリウッド大作ベストの脚本家のうち、女性は11.2%
- ハリウッド大作ベストのプロデューサーのうち、女性は18.9%
1.9%て!!あまりに数が極端なので、見てみたところ、実際には、映画製作スタッフのうち15.8%が女性ということでした。←それでも少ないよね。まあ インフォグラフィックは「売上ベスト100に入る巨大プロダクションに携わる女性の数」として見たほうがフェアですね。
2015年のアカデミー賞のノミネート状況のインフォグラフィックからも、このことはわかります*2。
女性が黄色で、男性が緑です。女優と助演女優は、黄色が半分を占めており(だって女優と俳優分けてるもんねw)、衣装デザインと、プロダクションデザインも女性の方がやや多いですが、その他は軒並み緑優勢。黄色がまったく入っていないジャンルもたくさんあります。
そして、このような賞が誰によって選出されてるかといえば、アカデミー会員は、77%が男性で、また実に94%が白人なんですね。やれやれ……。
最近では、「映画」という枠組みに頼らないコンテンツ制作の需要が増えていることだし、こんなんでは才能あるマイノリティーのクリエーターがハリウッドを見限る日も近いかもしれません。
んー。とりあえずロサンゼルスにとって「ハリウッド」ってとても大きな産業で、そのおかげで街が成り立ってる部分もあるので、もっと頑張ってほしいです!それに、ここで生まれた「映画」という文化が、遠い街のどこかの映画館だとか、誰かのテレビ画面だとか、そういうところまで届けられ、観た人の心に何かを訴えてるわけだから。映画って、ものすごく重要だと思っている。