映画『ミーン・ガールズ』観てきました!リンジー・ローハンとレイチェル・マックアダムスが出て数々の名言とミームを生み出した伝説的な2004年のオリジナル映画がブロードウェイでミュージカル化され、そのミュージカル版が今回映画化された、という。『ウェイトレス』と同じパターンですね。
あらすじ
アフリカで学校に通わずホームスクーリングですくすく育ったケイディが、母国アメリカに戻り高校生になることに。勝手がわからず戸惑っていたところをはみ出し者の2ジャニスとダミアンに助けられ、友達になる。また数学のクラスで早速気になる男子生徒との出会いも訪れる。ひょんなことからスクールカースト最上位のイケてるがいじわるな女子たち(ミーン・ガールズ)のグループの派閥「プラスチックス」のリーダー格であるレジーナ・ジョージに気に入られてしまう。
感想
楽しめました!ミーン・ガールズた好きな人かつミュージカルが好きな人は楽しめると思います。
よかった点
私はミュージカル版観ていなくて、今回の映画化で初めて観たという感じなのですが、歌になった時の演出が面白かった。振り付けを担当したのが、ブラックピンクとかのコリオグラファーもやっているカイル・ハナガミなんだけど、すごくよかった。
あと、アウリイ・クラヴァーリョ演じるジャニスがよかったね!オリジナルよりジャニスに焦点当たってる気がした。映画自体彼女の歌で幕を開けるし、彼女のソロ局『I'd Rather Be Me』とかエンパワリングですがすがしくてとっても気に入った。この子歌えるなぁーと思ってみてたらモアナの主演の子だったので超納得。他の配役もカレンをインド系のAvantikaが演じるなど多様性ましましで、ソーシャルメディアなど様々なディテールが2024年版になってるのと同様「アップデート」を感じさせて良かった。
新レジーナはクィア?
この、新ミーン・ガールズ基本的にはオリジナルとストーリーは同じ。有名なセリフもそのままなので、キャラクターの印象は結構変わっていて、特にレジーナの解釈はかなり新しかった気がする。ガーリーでフェミニン、そして可愛らしいけれど「フェイク」な感じが強かったレイチェル・マックアダムスのレジーナと低音ボイスでディーバ感溢れるレネ・ラップの新レジ―ナはかなり違うのね。
レネ・ラップはブロードウェイでレジーナを演じたのだけど、彼女のレジーナは、パワフルでアンドロジーナスなバイブスがある。というかはっきりいってゲイダーが反応する感じの、女向けの魅力があるキャラなのです(あ、でもしっかりミーンなのでご安心)。元々シンガーだからか、アティチュードがあってそれがミーンっぽくもあるけどカッコええ。
レジ―ナが登場した瞬間、電撃が打たれた目が離せなくなるようになってるケイディの描写もスーパーゲイだし。レジ―ナの服装もピンクはピンクなのだけど、レイチェル・マックアダムスの「ピンク」とは違い、もっとハードなスタイルを着こなしてる感じ。ミニスカートではなく、パンツルックが多くて「乗りな、ルーザー」って車に誘うシーンとか、もう完全にフラートしているのでは?と思ってしまうほど。セリフは同じなんだけど、違うんだよなあ!上に載せてる予告編の一番最後のシーンなので観てみてください。
この受け取り方は、決してわたしの妄想の産物というわけでもなく!実は、レネ・ラップは実際に本人もバイセクシュアルで、MAXで配信されているドラマ『Sex Lives of College Girls』では、レズビアン役で人気を集めていました。それにとどまらず、レネ・ラップ自身「レジーナはレズビアン」とインスタに投稿し、インタビューでも「レジ―ナはレズビアンだと思う」と答えているのです。あとはトークショーで「オリジナルのレジーナを演じたレイチェル・マックアダムスへのメッセージは?」と聞かれて「デートして」と答えるなど。いやはや画面から溢れ出るゲイネスと女向けの魅力は気のせいではなかった。
ストーリー的には、ミーン・ガールズそのままなので、映画の中でレジーナが直接どうこうという展開はありませんが、ジャニスがはっきり女の子を誘っていたり、ジャニスとレジーナがキスしたとか、やっぱりクィア度はアップしてると感じます!もちろん、その要素抜きでも、ミーン・ガールズ自体が女性同士の絆を描いたものだと感じるし最後の展開も十分百合な感じでわたしは好きです。
オリジナルもだけど、そもそもレジーナって「女王蜂」なので、男女問わず惹きつけるカリスマと自信に満ちていて、魅力的なんだよね。ヴィランだし、意地悪さをグラマライズはしたくないけど、実は傷つきやすさもあり、最後に生き返ってちょいいい奴になるのではと思わせてくれる、そんなレジーナがわたしはずっと好きでした。
オリジナルと比較されるのは逃れられない運命か
オリジナル作品の印象があまりに強すぎて、どのシーンでも「オリジナルはこうだったな」とか「ジャンボはないのか」とか「このシーンは同じなのね」とか、常に比べてしまう感じがあってそれは新作に対してフェアではないだろう、と思い続けながらもやめることができなかった。ティナ・フェイが続投しており、また、まさかのリンジー・ローハンも登場しているところがうれしかったです。
またブロードウェイでレジーナを演じたレネ・ラップの起用に加えらミュージカルでカレンを演じたアシュリー・パークがフランス語の先生として登場するなど、オリジナル映画だけでなくミュージカルファンにとっても「オリジナルキャストが絡んでくれてて嬉しい」って作品になってるかもです。
いまいちだった点
十分楽しめたので、文句を言うつもりはないのですが、なんとなく物足りなかった点は、主演のキャスティングでしょうか?配役は悪くなかったんだけど、主演のアンガーリー・ライスがね……いや、かわいいし(スパイダーマンシリーズに出てる。ブリー・ラーソンに似てる?)歌も頑張って歌っていたけど、どうも普通。悪くないんだけどとにかく「普通」。そもそもケイディよりレジーナの方が印象を強く残すキャラというのはあるけどそれを超えても、普通すぎて存在感が薄い。これも多分リンジー・ローハンの影が強すぎるだけだと思うんだけど、改めてオリジナルのミーン・ガールズ名作だったなーと思ってしまいました。あと彼女以外に全体的な演技もイマイチというか……オリジナル映画の方がよかった気がする。
こうやってなんでもかんでもよくも悪くもオリジナルと比べてぐちぐち言っちゃうの、頭が固くなってきてる感じなのかな?と思って反省してしまうんだが、オリジナルを観てない人たちって今この作品を観てフラットにどう感じるんだろう?ちょっと気になりました。
オリジナル観てないけど今回観たよーって方、コメントで感想とか教えてください。
おまけ:エイミー・ポーラーどこ行った
オリジナルキャストの登場は期待していなかったのですが、ティナ・フェイが出てたのに、エイミーがいなかったのが残念でした。ま、ティナは自分のプロジェクトなので出るのは当たり前として、ティナが出るならエイミーは?って期待しちゃいました。母親役は無理でも、どこかに出てて欲しかったな。
でも、ティナとエイミーとマヤ・ルドルフが3人で『ミーン・ガールズ』を観に行ってる様子がエイミーのTikTokにあがってたのでホッとしました。
https://www.tiktok.com/@amypoehler/video/7324072593764388139
評価
ゲイ度 ★★★★☆ 笑える度★★★★★ 感動度 ★★★☆☆
映画『ミーン・ガールズ』はロッテントマトのトマトメーターでは70点とまずまずの評価です。