アメリカ人の友達は、皆口を揃えて「高校時代は最悪だった」と言う。高校時代は、特にイジメとかがなくても、色々と辛い時期だが、それに「イジメ」が加わると、事態はさらに悪くなる。
『ガールライクハー(原題:A Girl Like Her)』は、そんなアメリカのイジメ問題を取り上げた映画だ。Netflixで、面白そうな映画をブラウズしていて、評価が高かったので軽い気持ちで観てみたらなかなか面白かった。
あらすじ
女子高生のジェシカには、親友のブライアンにしか言えない悩みがあった。高校で人気者の生徒エイブリーからイジメられていたのだ。ジェシカのことを心配したブライアンは、ブローチ型に改造した小型カメラで、イジメの様子を録画することを進める。
6ヶ月間の間、録画を続けた後、ジェシカは薬物を大量に飲んで自殺を図る。昏睡状態に陥り、目覚めないジェシカ。
一見平和な高校で何があったのか?ドキュメンタリー作家のエイミーは、高校を訪れ、生徒たちをインタビューしはじめる。
誰もが憧れる人気者のエイブリーがジェシカに対しては辛く当たっていたことは噂になっていた。エイミーは、エイブリーに近づき、「人気者の立場から」ドキュメンタリーに参加して欲しいと依頼する。
エイミー、ジェシカ、ブライアン、そして、エイブリー、それぞれが撮影する動画から導き出される真実とは?そして、ジェシカの命は助かるのか?
感想
いわゆる「モキュメンタリー」(ドキュメンタリーっぽく見せかけたフィクション)の手法で撮られた作品。
クラウドファンディングで資金を集めたらしく、いかにも低予算な感じに溢れてはいるが、リアリティTVっぽくもあるので、そーゆーのを見慣れた人には入っていきやすいかも。
はじめは、ライフタイムムービー的なチージーなTV映画的なのを想像してたんだけど結果的には結構面白かった。
いじめっ子のエイブリーが単に悪役なのではなく、彼女の側のプロフィールもリアルに描かれているのがよかった。
いじめっ子は、いじめっ子なりにストレスや傷を抱えているんだよね。もちろん、だからと言ってイジメを正当することはできないけど。いじめっ子エイブリーを演じるHunter Kingの演技がよかった!
この映画は実際にイジメ防止プロジェクトと連動しており、公式サイトにはイジメをなくすためのリソースなどが載っている。高校に通っている子たちにはかなり影響があるかもね。この映画を観たくらいでイジメがなくなったり、嫌がらせをやめることはないと思うけど、こうしてイジメがいかに人の心を蝕むか。そして、いじめっ子も、往往にして助けが必要な存在であることを知ることができると言うのは、問題解決の第一歩だと思う。
映画の公式サイトには、「主人公たちのその後」として、6ヶ月後に撮影したというクリップが収められているので、そちらもオススメ。
http://agirllikehermovie.com/aftermath
画像:
https://mobile.twitter.com/AGirlLikeHerMov/media