#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

「日本人」って誰だろう?今そこにある多様性と椎野カロリーナさん

「日本人」って誰だろう?

「日本人らしさ」って何だろう?

この問いは、外国に引っ越して以降、繰り返し考えるようになった。それは同時に「これまで以下にそのことについて考えてこなかったか」という気づきでもあった。

今年のミスに日本でグランプリに輝いた椎野カロリーナさんのことが話題になっている。ウクライナ出身で、高校三年生の時に日本に移住、その後帰化して日本国籍を取得したという。

しかし、Twitterを中心にネット上には、「両親ウクライナ人でハーフですらないのに」(日本人の「血」が流れていないという意味か?)のに、とか「応募時点ではウクライナ国籍だった」などとカロリーナさんを「叩く」ような声があふれている。(また最近では不倫報道も起きているようだが、今回は本題でないので、取り上げない)

「高3の時から日本に住み、日本に帰化して日本人となりました。外国人に見られることが多いのですが、日本人として育ったため、見た目と心のギャップに悩まされてきました。中身が日本人だと言ってもなかなか受け入れてもらえないことも多くありましたが、モデルの仕事と出会い、自分に自信を持ち、アイデンティティを確立することができました」 https://deview.co.jp/News?am_article_id=2292259&anc=294&set_cookie=2

もう9年前になるが、2015年 ミス・ユニバース 日本代表に宮本エリアナさんが選ばれた時も、物議を醸していたと記憶している。あれから10年近くなるが、結局対して世間の見方は変わっていないのだなと感じさせられた。

特別在住者などが、外国人として生き続ければ「帰化しろ」と言われ、帰化したなら帰化したで、「見た目」や「帰化のタイミング」で結局文句をつけられる。

カロリーナさんがシェアしたようなアイデンティティに関する葛藤は、アメリカでは比較的よく語られることだ。移民が多いといっても、アメリカでも、地域によっては移民の少ない場所がある。「南部でアジア系の名前をもって育つことを考えてごらんよ!」みたいなパンチラインはよく聞かれるし、アジア系が多いと言われる西海岸でも、地域によっては「クラスでアジア人が自分ひとり」みたいな状況は割とあるのだ。

周りと外見が違うことで、対応が変わったり、仲間に入れてもらえなかったり。そんな小さい経験を積み重ねながら、移民は「自分は何者なのか?」を常に考えさせられる。考えたいわけじゃないのに、周りから問われ続けるから、答えるために、常に常に考えざるをえない。

それに対して「多数派」である側はどうだろうか?

一体誰がXX人なのか?

XX人とは誰なのか?

大多数の「XX人」はこれらの質問を深く考え抜く必要性を感じずに生きている。

そして、ある日「っぽくない誰か」が「XX人の代表」としてスポットライトを浴びたとき。

そこで、はじめて彼らはこの質問を自らに投げかけナイーブに答えようとするのだ。

私たちが思っているよりも、既に、私たちは多様性に満ちている。

ダイバーシティはこれから訪れる新しいイベントではなく。今ここに、既にあるものなのだ。

2016ミス・ユニバース日本大会公式プログラム