2024年のスーパーボウルは、試合開始直後から49ersがリードしていたがなかなか点が入らずロースコアな試合。一回のタッチダウン(6点)で逆転が可能な3点差で試合は進み、最後数秒のところでチーフスが逆転しかそのまま優勝というかなりドラマチックな展開だった。MVPはQBのパトリック・マホーン。去年に引き続きの優勝かつ連続MVPということで、トム・ブレイディ並みの伝説を作るのではないかと期待されてる。
で、さぁ皆どんな感じで呟いてるかな?とTwitterを見てたら、イスラエルがガザ南部のラファで大規模な攻撃をはじめたというニュースが流れてきた。ラファは北部から逃げてきた多くの人々が住んでいるエジプト国境の街で、イスラエルはここは安全地帯だから避難しろと言ってた場所だ。ここを攻撃されたら市民はどこに逃げたらいいのか?というレベルで非人道的。国連は、ガザ地区でパレスチナ人が避難できる場所はもう残っていない、と言っている。イスラエルよ、言ってることとやってることが違うぞ!お前は何がしたいんだ!
スーパーボウルではイスラエル政府の出した広告が流れていたため、これと合わせてSNSでは批判が高まっていた。ただこれは、内容はガザでのイスラエルの行動を正当化するものではなく「ユダヤ人差別はやめよう」「憎しみに負けないようにしよう」という一見ハートウォーミングは人間ドラマ風のものだった。
わたしはこのCMは見逃したのだが、YouTubeで早速コメンタリーがあがっているので検索したら観られると思う。このスポットで7ミリオンドルかかったと噂されている。
イスラエル政府は去年の戦争開始後も「ハマスによる残虐な行為を伝えるニュース番組」仕立てで最後はイスラエルへの理解とサポートを求めるような構成の動画広告を大量にYouTubeに出していた。その時は、やはりハマスの奇襲という衝撃があったし、動画に出ている被害を受けているのが白人に見える人たちばかりだったので、アメリカ人たちには感情的に衝撃を与え、イスラエルの報復を正当化するのに役立った気もする。しかし事態が長引き、ガザで実際何が起きているのか?が伝わり始まると、同じ戦略でイスラエルへのサポートを訴え続けることは難しいと考えて切り口を変えたのだろう。
だが、イスラエルの行動を批判したり停戦を求めることはユダヤ人差別とは違う。そこはしっかり区別しないとね。
スーパーボウルで浮かれているセレブやそのノリに乗っかって親しみを得ようと必死な政治家たちもいるが、その裏で今起きていること、またNFL自体がこれまでアメリカに存在する「差別」にどのように接してきたのか?ということななさなどを考えると、そんなノリが白々しく思えてしまうほどだ。本当に好きで応援してるとかなら良いけどさ。
世界中で起こっているすべての悲劇にコミットすることはできないし、どんな普段人権に理解のあるセレブだって今日くらいはお祭り騒ぎしたいかもしれない。ただ豪華なハーフタイムで盛り上がっているラスベガスとテンションの高い有名人のツイートの裏で、空に上がる煙とガザの子供たちのことを考えたらその対比がグロテスクすぎてキツかった。