#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

映画『パラサイト 半地下の家族』から学んだこと

映画チラシ パラサイト 半地下の家族 ソン・ガンホ

映画『パラサイト 半地下の家族』を観たので感想です!

しばらく前なのですが、アメリカのミニシアターが当時ほぼ満席でした。今また映画賞シーズンのため、注目されており、メジャーなシネコンでもかかりはじめています。

監督はネトフリ映画の名作『オクジャ』のポン・ジュノ、そして主演はソン・ガンホです。カンヌ映画祭でパルムドールを受賞し、またアカデミー賞でも最優秀作品賞にノミネートされるなど、高い評価を得ています。主演はソン・ガンホです。

映画『パラサイト 半地下の家族』あらすじ

過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン… しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“ 半地下住宅”で 暮らす貧しい4人家族だ。

“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。 「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。

パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。

(『パラサイト 半地下の家族』公式サイトより)

映画『パラサイト 半地下の家族』感想(ネタバレあり)

面白かったです!

ただ、なんというか、とにかく「戸惑い」を感じる映画でした。シリアスな映画なのか?コメディなのか?おかしいのは、誰なのか?まともなのは誰なのか?映画を観ている間ずっとその軸がゆらぎ続けるんですね。

例えば、本作はちょっと軽いお笑いっぽいノリで進みます。それが途中、大雨の夜に「昔の家政婦」が訪ねてくるシーンから、ホラーみが増していきます。また金持ち家族の一家も非常に美形で、気前がよく、ちょっと人を信じすぎなのでは?という以外は「意地悪い」ところは一切描かれないのに対し、主人公の家庭は嘘つきだし、ずる賢いし。一体誰に感情移入して、どんな気分で観ればいいのかちょっと難しいんですよね。だからずっと「落ち着かない」気分にさせられます。

しかし、観終わった後には「ストン」とその軸が定まっています。観客がそれに同意するかはさておき、監督の意図が明確になります。

殺人が「よくないこと」なのは当たり前です。でも、いくら、クールで美形でお金持ちで成功していても、人を同じ人と見ていないようなのっていうのも同じくらい「ヤバい」ことなのでは。そしてそれが当然のことのようになっている現代。それは主人公たちと同じくらい「狂っている」のかもしれないと思いました。

階級と「匂い」

本作で階級を表すものとして使われて、クライマックスシーンでも使われているのが「匂い」です。匂いは、気になる人には気になるけれど、気にならない人は気にならない(というか、感じることすらできない)非常に主観的なものです。

イジメの口実にも使われますね。

「階級」も、はっきりと目には見えないけれども、その人が身にまとっているもの、という意味で「匂い」と共通項があるかもしれません。

Ram-donって何?謎の美味しそうな食べ物「韓牛入りチャパグリ」とは?

さて、映画とは関係ないですが、この作品のなかで一番食べてみたい!と思ったのが謎の食べ物Ram-donでした。これは英語字幕ではRam-donとなっていたのですが、調べると「チャパグリ/ジャパグリ」のことでした。

チャパグリ/ジャパグリは、ノグリとチャパゲティーという二種類のインスタントラーメンを混ぜて作る韓国のB級グルメですが、英語字幕にする時に、ラーメンとうどんを混ぜたものという印象を出すためにRam-donにしたそうです。

で、パラサイトに出てくるのは、普通のチャパグリではなく、高級肉の「韓牛(日本でいうなら、和牛ステーキ肉?)を入れて食べている。韓牛は、アメリカでは食べられないため、近所の韓国スーパーに行って、ノグリとチャパゲッティ、そして適当なサイコロステーキ肉を買ってきてさっそく作ってみた。

結論:めっちゃ美味しい~!

というわけで、最近、ステーキ入りチャパグリをよく食べてます。映画ってこういう食文化との出会いのきっかけにもなるので素晴らしいですね。

映画『パラサイト 半地下の家族』評価

  • エンタメ度 ★★★★☆
  • 社会派度 ★★★★★
  • 美味しそう度 ★★★★★

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