#あたシモ

アメリカで働くレズの徒然

ラジオでダンスショーを楽しむ方法

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ラジオを聞いていたら、「今からダンスのショーをやります」と言っていた。

ラジオでダンスのショー? はあ?

「幕が上がり、左からライトが舞台を照らしています…… ダンサーたちは私たちに背を向け、等間隔に並んでいます…‥ ダンサーたちは、左腕を伸ばし、水平方向に手を伸ばします……」

こんな感じでダンサーたちの舞台での動きが渋い声で説明されている。ふむふむ。ちょっと面白くて引き込まれてしまった。ラジオドラマとかなら分かるが、ダンスなどのパフォ―ミング・アートにまでこういった「叙述芸」を持ち込むとは、大したもんだ。

これは「オーディオ・ディスクリプション」という目の不自由な人のための技術のデモンストレーションだった。

オーディオディスクリプション(Audio description)

 日本では、一般に「解説放送」、「副音声解説」などと言われている。

 映画のオリジナルサウンドなどを流しているテレビの音声多重放送の第2チャンネルで、視覚障害者向けに人物の動作など実況解説を付けること。

 NHKの連続テレビ小説日本テレビ系の火曜サスペンス劇場などで実施されている。

 米国ボストンのWGBH財団などが一分のテレビ番組やビデオの音声解説製作を専門的に行っている。

 98年には、大ヒット映画「タイタニック」のオーディオ・ディスクリプションをロサンゼルスとボストンの映画館で実施、話題になった。 日本デモ福祉映画などで解説を付けるケースはあるが、ロードショーでは例がない。 http://mainichi.jp/universalon/etc/key.html#03

面白いな―と思った。というのは、わたしは、英語がよく聞き取れないので、映画やテレビを見るときに字幕(CC)が欠かせないのだが、オーディオディスクリプションは、字幕と逆の発想でありアプローチだからだ。※字幕といっても、外国語を翻訳した字幕ではなく、流れている音声をそのまま流す字幕のこと。聴覚障害者のためのもの。

アメリカでは、以前からテレビ番組には全て字幕を入れることが義務付けられているが、映画館などにはついていない。また、オーディオ・ディスクリプションも、映画館で上映された実績はあるものの、コストの問題などでなかなか広まらない。そこで、普及を訴えかけているようだ。ヨーロッパでは字幕をつけたりすることがより盛んで、それが大学で研究されたりしているんだとか。

ということはよ。

つまり、もしもパフォーミング・アートに対して、オーディオディスクリプションをつけることが普通になって、しかも、それを「字幕」にすることが普通になったら……。パフォーミング・アートを「文字」の芸術にリメイクすることが可能かもしれない。とか思った。

もともとは、耳や目が不自由な人のための技術なんだけど、それ自体、アートだよね。 ちょっと面白いよね。