#あたシモ

虹の向こう側

全米最大のLGBT団体のいち早い支持表明が示す「クリントンの焦り」?

Hard Choices: A Memoir

HRCのヒラリー支持表明について、「ヒラリーの焦りの表れでは」という分析を読んで面白かったので、かいつまんで紹介します(参考記事)。

異例の時期に行われた支持表明

今週なされたHRC*1によるヒラリー・クリントン候補の支持表明。わたしもブログに書きましたが、こちらは、HRCの過去のパターンからすると、やや意外なものでした。なぜなら、まだ予備選挙がどの州でも行われていないような早い段階で表明されたからです。

2008年にHRCがバラク・オバマを支持した時は6月でしたし、彼が民主党の指名を勝ち取ることが既に明らかな時でした。2012年の2期目の選挙の時は2011年5月という早い時期に支持表明が行われましたが、この時オバマには大きなライバルはいませんでした。2004年は、予備選挙の始まっていた後、ジョン・ケリーを6月に支持しました。

こう見ていくと、2016年の1月に行われた今回の支持表明は異例と言ってよいほど早い時期に行われたことがわかります。

「支持表明」がなかなか行われない理由

候補者は選挙戦のなかで、多くのLGBT団体を訪れ、「LGBT票田」を勝ち取るように頑張ります。 2008年にクリントンとオバマが州ごとにぎりぎりまで争っていた時もそうでした。彼らはLGBTのためにあれもこれもという約束をし、オバマが大統領になった後、活動家はそれを利用して、約束を実現するように迫りました。

そこでHRCのようなマイノリティーのためのロビイング団体は、通常、ギリギリまで待って、候補者同士に「LGBTの権利」に関して競争させあい、最後にもっとも有利と思われる候補者に支持表明をする、というのが通常なのです。

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しかし、今回は、アイオワ州の予備選挙まであと2週間、そして、アイオワ州でもニューハンプシャー州でもサンダース候補が支持を伸ばしており、どちらかの州では勝つだろうと言われているタイミングで行われた支持表明でした。

わたしもこのブログで書きましたが、サンダース候補は60年代から人権活動をしている筋金入りのリベラル派です。LGBTに関する過去の投票行動を見ても、婚姻防衛法(DOMA)に反対した数少ない議員であり、クリントン候補よりも早く同性婚を支持し、公民権法にLGBTを含めるべきと発言し、さらに軍隊でトランスジェンダーがオープンに従軍することを求めるなどの発言をしており、クリントン候補より一貫してLGBTよりです。

民主党候補のなかで、クリントンは「第一有力候補」だとは言われているものの、まだまだ「わからない」。むしろ、今後サンダースとの議論を通じて、ヒラリーの政策はより変わっていく可能性があります。HRCは、なぜ、これまでのように支持表明を引き延ばすことで、サンダース候補とクリントン候補をより激しく「競争」させ、LGBTの権利と平等のために発言させなかったのでしょうか?まだ競争は始まったばかりなのに、なぜ早々と、クリントン候補の支持表明をしてしまったのでしょうか?

早めの支持表明はクリントンの「焦り」の現れ?

HRCの会長チャド・グリフィン(Chad Griffin)は、ビル・クリントン政権下で働いており、また2008年にはヒラリー・クリントン、2012年にはバラク・オバマのために、資金集めの担当者として活躍した人です。HRCはかなりクリントンと近い関係にあるといえるでしょう。

今回の選挙で早々とクリントン候補を支持したのは、実はHRC以外にも、女性の中絶権利などのために活動しているプランド・ペアレントフッドや、銃規制のために活動しているブラディー・キャンペーンなど、他にもあります。クリントン候補は、これらの団体に対して、早めの支持表明を依頼したのかもしれません。もしそうなら、それはクリントン陣営の「焦り」の現れにほかなりません。

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*1:Human Rights Campaign:全米最大のLGBT団体