#あたシモ

虹の向こう側

リトアニアの田舎の風景と美少女が美しすぎる……映画『サンゲイルの夏』

f:id:calibaby:20150501163824j:plain Summer of Sangailé, The | Strand Releasing

The Summer Of Sangaile (France , Lithuania , The Netherlands, 2015, 88 min) 監督・脚本: Alanté Kavaïté

今回のOUTFESTラインナップのなかで、もっとも視覚的に美しくロマンティックだと評判だった『サンゲイルの夏』を観た。

あらすじ:両親とともに湖畔の別荘に滞在している17歳のサンゲイルは、学校を出たら何をしたいかというビジョンもなく、憂鬱で自傷行為を繰り返している彼女が唯一好きなのは飛行機の曲芸飛行だった。ある日、航空ショーで飛行機を見ていたサンゲイルは、自分とはほぼ反対の明るくてクリエーティブな少女オースティーに声をかけられる。オースティーの友達と泳いだり遊んだり、時にはうっかり男の子と身体の関係を持ってしまったり。不器用ながら、サンゲイルは徐々にオースティーに心を開き、抱えている問題を告白する。彼女は、自傷癖に加えて、「高所恐怖症」も持っていたのだ。大好きな飛行機に乗れないサンゲイルの恐怖を克服させようとオースティーは手助けをするが……。

感想:絵的にものすごく美しい映画。リトアニアの田舎の風景もそうだし、空を舞う飛行機のアクロバティックな動き、そして何より主演の少女の透明感溢れる感じがいい!カメラのフォーカスするところもいちいちマニアックで、監督がいかに美的なこだわりを持っているかが伝わってきた。青い海ばーん!!白い砂浜ドーン!!的な「わかりやすい美しさ」ではなく、むしろ、工業地帯だったり、田舎のどうということない曇り空や、濁った湖の水の色だったりするのだが、ふとした瞬間にハッとするような美しさを見せる。こういう「絵」にこだわるアーティスティックな映画は、ヘタすると、退屈な監督の自己満足になってしまうのだが、この映画は、一つ一つの画面に緊張感があり、研ぎ澄まされてるので、そういう「だれた」感じはなかった。オースティーが、初めてサンゲイルを見た瞬間から気に入って積極的にアプローチするところが、非現実的だなーとは思ったが。オースティーとサンゲイルの性的なシーンはドリーミーながらも、センシュアル。リアリティが感じられて、よかった。

f:id:calibaby:20150501163844j:plain Summer of Sangailé, The | Strand Releasing

ストーリーも、「十代の少女たちのひと夏の恋」とか、「精神のバランスを崩した少女たちの悲劇」的なものだったら嫌だなーと思ってハラハラしてたんだけど、違った!やっぱり基本的にはふわふわした砂糖菓子みたいな感じで、ミュージックビデオっぽいというか、ハラハラドキドキする骨太な物語という感じではないのだけど、少女たちの成長が描かれている。恋愛映画というよりは、少女が自分の夢と強さを見つけるまでのストーリーだよね。だから、恋愛映画としてみると、結構物足りなく、最後まで「この二人、結局どうなるのか?」というのは曖昧にされている。十代の恋なんて、そんなものなのかもしれないけど……。監督によれば、DVDには、限定特典として、この二人のキャラクターの「三年後のインタビュー」という設定のコンテンツが入っているそうなので、そっちを観たくなった。

Royksoppとか、Airの人とか、空気感溢れるポップな音楽もとても印象的で、そっちの面からも楽しめる。もうねー。言葉でどうこうじゃなくて、耳と目から楽しむ、右脳的な映画なんだよね!

主演のJulija Steponaityteのクールでみずみずしい感じがね、とってもいい!でも彼女は今はもう女優はしてなくて、写真の勉強をしているそうな。なんかもったいないんだけど、何か、彼女のたたずまいからして、すごーく納得した。

評価:★★★★☆

Loveless (Sangaile)