出た直後、アメリカ人の友達から「JIROの映画観た?」とやたらと話しかけられた作品『二郎は鮨の夢を見る(原題:Jiro Dreams of Sushi)』。
これまで観てなかったのですが、改めて観てみました。
あらすじ
東京・銀座の地下にあるたった10席ほどの鮨店・すきやばし次郎の店主・小野二郎。87歳の今でも職と技に対するこだわりを持つ彼が握る鮨は、「ミシュラ ンガイド東京」で5年連続で最高の三つ星の評価を受け、フランス料理最高シェフのジョエル・ロブションや、ハリウッドセレブなど、世界中の食通たちをうな らせてきた。そんな彼の作り上げていく鮨の味に驚嘆し、職人としての技や生き様に魅了された、アメリカ人監督のデヴィッド・ゲルブ。あのメトロポリタンオ ペラの総帥、ピーター・ゲルブ氏の息子でもある彼は、来日中に「すきやばし次郎」の鮨と出会い、その芸術性に感動して映画制作を決意。約3ヵ月にわたり東 京、静岡と密着取材を敢行した。日本人の私たちが忘れかけた、二郎の仕事に対する誠実な姿勢。親子であり師弟でもある二人の息子を通じて描かれる、偉大な る父への敬意、そして葛藤…。世界が認める名店を支える者たちのプライドと仕事にかける情熱を、温かくもモダンな映像とクラシック音楽の旋律とともに美し く浮かび上がらせてゆく。
(公式サイトより) http://jiro-movie.com/introduction
感想
ほ〜すきばやし次郎で食べてみたいと素直に思える内容でした。どんな頑固親父が出てくるねん!と思ったら、二郎さんの人柄が意外にやわらかく、客に対してなんだかんだ言う「寿司ナチ(いわゆる頑固親父系のことを英語でこういう)」系ではなかったので、よい意味で期待を裏切られました。
また、二郎さんの息子二人の話や、伝説となった父親の後を継ぐことの難しさなど、鮨にとどまらない、普遍的なテーマがありました。仕事への取り組み方とかね。二郎さんが仕事について語っているところについては、胸を打たれました。英語字幕でloveって訳されちゃってるのは、ちょっと日本語のニュアンスからすると、エモーショナルすぎない?とも思ったけど……。
結局好きなことだからずっとやりつづけられるし、極め続けることもできるんですよね。
あと、これがアメリカで大ヒットした背景には、「SUSHI」が全米にトレンドではなく既に「定着」しつつある今、それでいて、日本の「鮨屋」にまつわるカルチャーや、職人のこだわり文化についてあまり知られていなかった……というのがあるのかな?と思いました。
もちろん、わたしも二郎さんのことをこの映画以前に知っていたわけではないですし、「おおっ」と心動かされる場面がなかったわけではないのですが、鮨職人の修行の厳しさや、築地市場での、せりの様子など、日本人にとっては「聞いたことある」話が、アメリカ人にとっては、ものすごく物珍しく見えたのかもしれません。職人がお寿司を握る所作の一つ一つが、スローモーションでいちいちドラマティックに演出されているのは笑えました!
あと、ひとつ物足りなかったとすれば、あと、家族以外で「次郎」のすごさを語っている「フードライター」山本益博さんの言葉に頼り過ぎでは?というところ。あと、二郎さんの生い立ちにしても、現在の暮らしぶりにしても、女性の影がなさすぎて「母親は?」「奥さんは?」と気になってしまいました。昔を回想する場面でちらっと出てきましたけど……存在感なさすぎではないですかね?
鮨ってやっぱり男の世界なのかね?
は〜。でもお寿司の動画見せられて、お寿司食べたくなりました〜!ロサンゼルスにも美味しい「おまかせ」のお店、あるので、今度行こうっと!
評価
- 寿司食べたくなる度 ★★★★★
- 新しい発見度 ★★
- 仕事を頑張りたくなる度 ★★★★★
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