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#あたシモ

虹の向こう側

「宗教の自由」の名を借りて、LGBT差別をする法律がこんなに審議されていた!

photo by michellerobinson.photography

ミシシッピ州で成立した「宗教自由法」が話題になっています。宗教に関連した、差別的な法律には、以下のようなさまざまな種類があり、同性婚が認められるのと前後して、現在では多くの州で以下のような法律が提案、審議されてきます。既に否決されたもの、拒否権が発動されたものなどもありますが、類似の法律が不死鳥のように舞い戻って提案されつづけるのはよくあること。ここでは、アメリカ自由人権協会(ACLU)のウェブサイトを参考に類型を紹介します。

yuichikawa.hatenablog.com

信教の自由回復法

反差別法などの一般的法律が宗教的行為に対する実質的負担を与えるものだとして、例外を求めることを簡単にするもの。公権力は、差別を禁止する法律がやむにやまれぬ政府利益 (compelling governmental interest)を達成するするためにもっとも制限の少ない方法(the least restrictive means)であることを証明しなければなりません。←これは結構厳しい基準なので、「例外」が認められる範囲が広がる。コロラド州、ハワイ州、アイオワ州、メイン州、ミネソタ州、ミシシッピ州など多くの州において提案。

婚姻関連で、宗教的例外を認める法

婚姻に関連して、宗教的例外を認める法律。上の「信教の自由回復」に比べて「婚姻」に特化しているので若干範囲が狭い。法律によっては「同性カップル」だけをターゲットにしているものもあれば、一般的な婚姻を対象にしているものもある。

表現の自由保護法

公務員や政府職員、民間ビジネスを含む誰もが宗教的・倫理的信念に基づいて、同性婚や、婚姻外での性的関係に対して反対することを認めるもの。上の2つに比べて公判であり、さらに公務員に対しても認められるため、「税金による差別」が正当化されることになる。公務員、行政の下請け業者、補助金を受けとっているホームレスシェルターや、薬物依存回復施設など、重要な施設が同性カップルや、クィア家族、シングルマザー、その他、「婚姻」の枠組みから離れた関係を築いている全ての人々に対する差別をすることが認められることとなってしまう。ハワイ州、イリノイ州、オクラホマ州などにおいて提案。

公務員に関する法

裁判官、書記官、行政官などの公務員が、同性婚に関する業務(婚姻届の発行など)を提供しないことを認めるもの。ケンタッキー州、ミネソタ州、ミシシッピ州などにおいて提案。

商業的ウェディングサービス法

一般的なビジネスが、同性カップルへ物品やサービスを提供することを拒否することを認めるもの。フロリダ州、ミシガン州、ケンタッキー州などにおいて提案。

聖職者保護法

聖職者や宗教的団体が、同性カップルに対して婚姻に関するサービス提供拒否することを認めるもの。アーカンソー州、コロラド州、フロリダ州、ルイジアナ州など多くの州において提案。

養子縁組関連法

養子縁組を提供する団体が、同性カップルに対してサービス提供拒否することを認めるもの。アラバマ州、フロリダ州、ネブラスカ州、オクラホマ州などにおいて提案。

大学の学生団体関連

公立大学に対して、宗教的な信条に基づく学生団体が差別を行っているとしても、学内施設の使用を認め、サポートすることを求めるもの。カリフォルニア州、カンザス州、サウスカロライナ州などにおいて提案。

医療サービスへのアクセス(Access to Health Services)

医療従事者が、宗教的な信条を理由にプロフェッショナルなサービスの提供を拒否することを認めるもの。アーカンソー州、オクラホマ州、テネシー州などにおいて提案。


ざっとこんな感じです。細かい内容は州や法律によって異なりますが、よくここまで「LGBTを差別する方法」を思いつきますよね!すごいなー。今後、アメリカの様々な州における、これらの法律に対するニュースがきっと入ってくるはずです。

「女性差別」の口実にも使われる「宗教の自由」

ちなみに、「信教の自由」って本当に曲者の概念でして、LGBT差別だけでなく、女性差別を正当化する理由としても使われています。具体的にはこのような差別があります。

  • 結婚前に妊娠した女性を解雇
  • 低用量ピルをカバーしない健康保険*1
  • 患者が低用量ピルの処方箋を持ってきても、薬を渡さない薬局

ホント「差別」って「嫌う」とかそういうレベルじゃなくて、具体的に生活を脅かす不利益をもたらすことがよくわかります。

信教の自由は大事だからこそ、それを差別の口実に使わせないことが大事

信教の自由は、憲法によって保障されるもっとも重要な人権の一つです。しかし、それが具体的に他者の人権を侵害し、平等な社会を阻害する差別の言い訳として使われることには、はっきりと抗議がなされるべきだと思います。


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*1:アメリカの健康保険は民間の営利企業が提供しています