#あたシモ

虹の向こう側

『ウォーキング・デッド』のなかでもっとも「非現実的」なのはゾンビではなく、ゾンビの不存在である

ウォーキング・デッド』は、ゾンビパニックの後の世界を描いた人気海外ドラマだ。しかし、このドラマで一番非現実的でパラレルワールド感を覚えるなのは、死者が蘇ることでも、ゾンビが歩きまわっていることでもない。

登場人物が決して「ゾンビ」という言葉を使わないことだ。

大体、一度死んだと思った人が歩き回って、いくら殺しても死なないように見えたりしたら、「ゾンビだ」って思うよね。でもウォーキング・デッドの登場人物は、決して「ゾンビ」という言葉を使わない。「ウォーカー(歩く者)」、「ロッター(腐った者)」「ローマー(歩きまわる者)」「バイター(噛む者)」などの名称を生み出して使っている。それを目にする時、「あーこの人たち、ってわたしたちが今生きてる現代社会と似ているけど、全然違う世界に住んでるのね」ということを実感する。

この世界に将来ゾンビ的な何かが絶対出現しない……とは言い切れない。もしかして、未知のウィルスだか寄生虫だかに感染して、こういう感じの事態がおこらないとは限らない。

でもさ、この世から「ゾンビ」という概念や」ゾンビという言葉がなくなるとは思えないわけ。ゾンビっぽい何かが現れたら、わたしたちは絶対「ゾンビやー!」って言うし「ゾンビ病」とか言うでしょう。

そういう言葉が全然出てこない点が『ウォーキング・デッド』の一番非現実的というか、パラレルワールドっぽいところだと思うわけです。

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